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薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

タミフルに続くもの、T-705 はてなブックマーク - タミフルに続くもの、T-705

タミフルの使用制限から一週間。

タミフルが、良く効く抗インフルエンザ薬であるのは確かなのですが、致死に至る副作用の可能性があるのでは、好き勝手に使うことはできません。現状の使用制限は妥当だと思います。

かといって、これで問題が解決する訳ではありません。
タミフルが投与できない10代患者の治療については、どうするのか?タミフル以外の抗インフルエンザ薬はあるのか?

リレンザという薬があります。タミフルと作用メカニズムが同じ(ノイラミニダーゼ阻害薬;ノイラミニダーゼというタンパク質の働きを抑えます)なのですが、飲み薬ではありません。口から特殊な器具で吸入して用います。

しかし、世の中で使われているリレンザの量は、タミフルに比べるとごくごくわずかなものです。これは、吸入と言う投与法のため、インフルエンザ患者の多数を占める子供の患者への服薬がしにくい、という事情があるのだといわれています。

つまり、飲み薬であることが、抗インフルエンザ薬開発における重要ポイントなのです。

この、飲み薬というハードルは意外に高いです。口から飲んだ薬は、胃や腸で吸収され、肝臓をとおって血液に入って全身に運ばれます。ところが、薬が、胃や腸から吸収されにくかったり、肝臓で分解されたりして、血液中にほとんど入らない、という現象はよく見られるものです。

現在臨床試験が行われている、ノイラミニダーゼ阻害薬は、注射薬か吸入薬であり、飲み薬というハードルを超えていません。使いやすい薬、、とはいかないようです。

では、お先真っ暗なのか?

そこまで真っ暗な訳でもありません。ノイラミニダーゼ阻害以外の作用メカニズムをもつ抗インフルエンザ薬では、飲み薬の開発が進められています。これは、T-705(富山化学)という化合物で、インフルエンザウイルスの増殖に必要なRNAポリメラーゼというタンパク質の働きを抑える薬です。

T-705は、タミフルと同様、動物試験では、高い治療効果を認めています。しかも、これまでのインフルエンザウイルスだけでなく、新型トリインフルエンザウイルスに対しても効果を示すとのことです。

おそらく、明らかにされてないだけで、各製薬会社は、T-705のようなタミフルに続く薬をこぞって開発しているものと思われます(と思いたいです)。

その結果が出るのは、まだまだ先のことではありますが、薬を作るものとして、注目していきたいと思います。

このブログ内の関連記事へのリンク
T-705、新型インフルエンザに有効


参考
http://www.toyama-chemical.co.jp/news/detail/070124110553.html


追記
タイマー投稿初体験
これがアップされてる頃は、舞浜のホテルで酒でものんでるんだろか?
それとも、失敗してるのか?

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[ 2007/03/28 22:00 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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