薬作り職人のブログ
製薬会社研究者の視点から見たいろんな話。
クラリチン
クラリチン(塩野義製薬,主成分ロラタジン,薬価 10mg錠 = 145.2円)は,花粉症などのアレルギー疾患に用いられます。

クラリチンは,花粉症などのアレルギー症状を抑える薬です。クラリチンは,ヒスタミンという炎症を引き起こす物質の働きを抑制します。クラリチンは,ヒスタミンが結合するタンパク質(H1受容体といいます)とヒスタミンの結合を抑制し,ヒスタミンの働きを抑制することから,クラリチンは抗ヒスタミン薬とよばれています

クラリチン以前に開発された,旧世代の抗ヒスタミン薬には,眠気という副作用がありました。これは,ヒスタミンが覚醒状態の維持に関与しているためです。脳内のヒスタミンの働きが阻害されると,覚醒状態の維持ができなくなり,眠くなります。

クラリチンは,眠気が生じにくい抗ヒスタミン薬として開発されました。クラリチンで眠気が生じない理由としては,クラリチンが脳の中に入りにくいためだと考えられています。
では,クラリチンで眠気が生じにくいということをどうやって確認したのでしょうか?実際にヒトにクラリチンを投与して実験をしたそうです。

クラリチンの場合,なかなか面白い実験が行なわれています。
1) パソコンでの数字入力作業の能率について,クラリチンは影響を与えなかった。
2) サーキット場での自動車運転能力に,クラリチンは影響を与えなかった。
3) サーキット場でのアルコール摂取時の自動車運転能力低下を,クラリチンは増強しなかった。
4) 空軍パイロット及び民間会社パイロットのパイロット操縦能を検討するために,フライトシミュレーターによるパイロット操縦能の試験を行なった。その結果,クラリチンはパイロット操縦能に影響を与えなかった。

これらの試験には,海外で行なわれたもの(2,3,4)が含まれています。酔払い運転についての試験や,パイロットに対する試験などは,クラリチンの資料を見るまで,ちょっと予想がつきませんでした。どんな極端な条件でも大丈夫,ということでしょうか。
「クラリチンは大丈夫」、といっても,花粉症の季節,これからのぽかぽか陽気で眠くなってしまわないよう,車の運転には注意しましょう。


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2006/03/18(土) 18:19:32| 薬の話| トラックバック:0 コメント:0
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