薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

ミオナール はてなブックマーク - ミオナール

仕事柄,肩こりに悩ませれている方は多いと思います。,肩こりはマッサージや入浴とかで症状が治まるので,薬は余り使われません。しかし,人によっては,痛みや痺れなどの症状がひどくなり(頚肩腕症候群),薬を使う場合があります。

ミオナール(エーザイ,主成分塩酸エペリゾン,薬価 50 mg錠 = 26円)は,ひどい肩こりや腰痛に使われます。ミオナールは,中枢性筋弛緩薬とよばれる種類の薬です。

「中枢性筋弛緩作用」,をいうのは「中枢神経の働きを抑えることで,緊張した筋肉を弛緩させる」ということです。

肩こりや腰痛では,筋肉が硬くなる(緊張し)ため,血管が狭くなり,筋肉へ血液が流れにくくなります。そのため,筋肉内に老廃物がたまり痛みを生じます。

ミオナールは,筋肉の緊張を解き,血管を広げて血流量をふやすことで,筋肉の老廃物を取り除きます。ミオナールの具体的な作用メカニズムは以下のとおりです。ミオナールは,脊髄のなかの運動神経(運動ニューロン)に対して働きます。脊髄は脳から筋肉を収縮させるための信号を、運動神経に伝える通行路です。ミオナールは,この通行路の働きを抑制することで,運動神経への信号が抑制され,筋肉の緊張が抑えられます。

ミオナールの副作用は,脱力感,ふらつきなどがあります。これはミオナールの作用が強く出すぎているためにおこります

ミオナールの標的分子については,実はあまり良くわかっていません。ミオナールは脊髄の神経と運動神経をつなぐシナプスというところで働くことは,動物による試験で明らかになっています。しかし,ミオナールがシナプスのどの分子(たとえば神経伝達物質の受容体,酵素)に作用しているのかはよくわかっていません。

薬の中には,「効くのだけれども,薬剤の標的分子が良くわかっていない」ものが多くあります。ミオナールもそのひとつです。ミオナールの標的分子がわかれば,より優れた,副作用の少ない薬剤ができると考えられます。これからの研究に期待したいものです。


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[ 2006/02/25 09:43 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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