痛風とは,血液内の尿酸濃度が高くなって(抗尿酸血症)起こる病気です。尿酸は水(血液)に溶けにくいので,血液中の尿酸濃度が高くなると,関節などの部位で尿酸がとけ切れずに結晶となります。この尿酸の結晶が炎症の原因となり、関節の痛みが生じます。この症状が痛風であり,痛風という文字通り「風が吹いただけで痛い」というほどの猛烈な痛みの発作が起こります。
痛風の痛みは,抗炎症剤などで抑えることになりますが,
痛風の進行を止めるためには,血液中の尿酸濃度を下げる必要があります。
尿酸濃度を下げる方法としては,
1)尿酸の体内での産生を抑制する
2)尿酸の対外への排出を促進する
3)尿酸を水に溶けやすくして,排泄させる。
の3つが挙げられるのですが,ザイロリックは,1)の方法をとっています。ザイロリックは,尿酸を作る酵素(キサンチン酸化酵素)の働きを抑えることで,血液中の尿酸の量を少なくし,痛風の進行を止めるのです。
キサンチン酸化酵素の働きを抑える化合物は,現在の日本ではザイロリック(および同成分のジェネリック医薬品)以外にはありません。他疾患の薬剤の場合は,新薬が出るとその類似化合物が対抗馬として登場するのですが,ザイロリックの場合には,対抗馬が出ないまま30年が経ってしまいました。
そして,ザイロリックの一人勝ち状態が進むにつれ,ザイロリックの問題点も浮かび上がってきました。ザイロリックには,肝障害(劇症肝炎)という重い副作用がみとめられたのです。このザイロリックの副作用を避けるために,さまざまな後継化合物がおそらく作られたはずなのですが,つい最近までザイロリック以外の新しいキサンチン酸化酵素阻害剤は出てきませんでした。
そして,アロプリノールおよびその類縁化合物の研究の結果、アロプリノールの基本構造であるプリン骨格が,肝毒性の原因であると考えられるようになりました。いままで,アロプリノールの類縁化合物しか作ってなかったので,よい化合物が作れなかったというわけです。
現在,各試薬会社はプリン骨格を持たないキサンチン酸化酵素阻害剤を開発中です。数社が臨床試験を進めています。30年続いたザイロリックの牙城を崩すのはどの製薬会社でしょうか?楽しみです。
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体内に溜まった過剰な尿酸を中和するという思想が正しいか、間違っているか、
ご検討いただけますれば幸甚に存じます。隠居の私には、もはや自分で実験して確かめるすべがございません。医学専門書に書かれている「アルカリ食療法」を頼りにせざるを得ない立場におります。
お気が向きましたら、どうぞ私のブログをのぞいてみてください。ついでにコメントを入れていただけますれば幸いです。敬具
さっそく今日受診にいきまして、ナイキサン100mgもらってきました。まずは消炎鎮痛剤からスタートです。アロプリノールの処方は次回からのようです。
痛くてなきそうですが、がんばります!
そういわれると、尿酸生成阻害薬ってアロプリノールだけしかないみたいですね。
その中で劇症肝炎とは、安心して使えるとはいえませんね。
確かに、次の新しい薬はどのようなのが出てくるのか、たのしみではあります。
通風の患者さんにとっても切実ですし。
ご指摘ありがとうございます。
確かに、高尿酸血症のときアルカリ化薬が使われます(鳥居、ウラリット)。ただし、ウラリットの作用は、アルカリにより尿酸を中和するのが目的であり、尿酸量が下がるというわけではありません。ウラリットは、尿酸による酸性尿を押さえる効果があります。尿が酸性化すると、尿路結石がおきやすくなるため、その予防として使用されるようです。
この辺りのこと、またネタに使わせていただきます(笑)。
はやまぞうさん
まずは消炎鎮痛薬で痛みが取れるといいですね。尿酸値については、長い目で見た方がいいと思います。がんばってください!
戒さん
選択肢が出来るというのは、患者さんにとっても、お医者さんにとってもよいことですよね。新薬については、またネタにする予定です。
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