薬作り職人のブログ
製薬会社研究者の視点から見たいろんな話。
タミフル(2005)-病院でもらった薬の値段
ことしも、インフルエンザの話題が出てくる季節になりました。
今年は、「鳥インフルエンザ」と「タミフルの副作用」がキーワードという所でしょうか。

鳥インフルエンザが変異して、ヒトへの感染能を獲得すると、ワクチンを持たない現状においては、全世界で大流行(パンデミック)の恐れがある。予測では数十万の単位の死者まで予想される、

また、タミフルについては、
副作用による小児の死亡例が12例認められた、頼みの綱のタミフルは大丈夫なの、、と

いずれも、マスコミが飛びつきそうな話題ばかりです。

鳥インフルエンザの変異については、我々がコントロールすることはまず不可能です。発見され次第、ウイルスの同定およびワクチンの開発製造が急務となりますがそれには当然時間が必要です。
タミフルで予防しろ、と大騒ぎすることになるでしょうが、タミフルが新ウイルスに有効である保証は何もありません。


タミフルの副作用については、去年から話は出ていました(前回取り上げてます)。いまになって、これだけ副作用死が出ました、といわれてもそれまでの間、役所や製薬会社は何してたんだ?と思わざるを得ません。

行動異常による死、については異論もありますが
(インフルエンザ脳症の発作の結果では?とか)
患者のバックグラウンドを含めた副作用情報を、医師、患者いずれにも明らかにすべきだと思います。

ちなみに、臨床試験で示されたタミフルの治療効果は、インフルエンザの症状を軽減するための日数が1−2日短くなるという程度のものです。つまり、タミフル非投与群でも、症状は軽減するのです。

このような現状では、タミフルに頼り切るのではなく
タミフルがなくてもなんとか予防するよう心がける、
手あらい、うがい、人ごみを避ける
というのが正しい選択なのではないでしょうか。

そして、どうしてもタミフルが必要な、体力のない高齢者や小児に対しては、適切な副作用データの公開により、使用時の安全性を確保することが必要でしょう。


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