今日で2014年も終わり、個人的にはあっという間の1年でした。
本業では、海外の方とのお仕事が軌道に乗り、コミュニケーションとか海外出張にも大分慣れてきました。最終ゴールである「薬を創りだす」というところまではまだまだ行かないのですが、それに必要な「舞台」を整える仕事は、この1年で達成できたのかなと思います。私は、白衣を着て実験する立場ではありませんが、来年も、このような「舞台」をもっとたくさん作れるように、いろいろトライしていきたいと思います。
一方、仕事以外の時間では、本業とは違った点で頭を使ってみようと、大学1年生向けの微積分の教科書を半年かけて勉強しました。使ってた教科書はこれです。斎藤毅先生の「微積分」。
教科書の定理の証明については、行間に省略されている部分を自分の頭で埋めつつ、ノートに書き写しました。大学生の時は飛ばしていた「定理の証明」(定理の結果だけつかえば、最低限単位に必要な問題は解けますよね、、)をきっちり追う作業というのもなかなか面白く、飽きずに続けることが出来ました。なんで大学生のときにこういう作業しなかったんだろう(40半ばで理解できるなら、10代の頭なら余計容易なはず)とも思うのですが、まぁ、楽しみをあとにとっておけたということで、それはそれで良かったのではないかとも思います。
数学の証明は、論理的に抜けがなく、キッチリ頭に入ってきます。それに対して、今のお仕事、特に生物学の論文は、数学のようにガチガチの論理では出来ておらず、読むときには「どこが抜けているか」を気にしなくてはいけません。その「抜けているところ」を捉えるには、そこを嗅ぎ出す感覚が必要です。
今年はSTAP細胞の話題が盛り上がりました。この話題では、様々な研究者が、論理の抜けているところ、合わないところを見つけ出し、ぼやっとした疑念を明確なものにしていきました。現場の第一線で活躍し成果を上げる研究者は、この感覚が優れており、それを埋めるための新しいアイデアを生み出す能力を持っているのだと思います。
「論理の抜け」に気づく感覚を研ぎ澄ますには、論理がきちんと成立しているお手本を沢山読み、自分でも組み立ててみることが必要だと思います。来年も、こんな感じで、オフの時間には頭の体操というつもりで、数学の教科書を読み込んでいきたいと思います(もちろん、本業の論文も読みますよ。。)。
このように、オフの時間には、いろいろと自分の世界に使ってしまうことが多く、ブログの更新が不定期になっております。これはブログのネタにしたい、という、気持ちの良い話題(STAP細胞のようなネガティブなものではなく)が、たくさん出てくれることを期待したいと思います。
それでは、来年も宜しくお願いいたします。
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Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。
薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。
観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。
薬&提灯 詳しくは
病院でもらった薬の値段
http://kusuridukuri.cho-chin.com/
お薬の名前の由来
http://drugname.onmitsu.jp/
ミニ提灯データベース
http://kentapb.nobody.jp/
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