薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

スポンサーサイト はてなブックマーク - スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

このエントリーをはてなブックマークに追加

[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

薬の名前に革命的変化がおこるかも。 はてなブックマーク - 薬の名前に革命的変化がおこるかも。

近年、薬の名前が似ていることで、薬の取り違えが起こるというニュースがよく報じられます。

 

日本医療機能評価機構、「薬剤の取り違え」第2報の情報提供 - QLifePro医療ニュース

事例としては、投与すべき薬剤「アルマール錠(不整脈用剤)」を「アマリール錠(糖尿病用剤)」と取り違えたものが3件、「ノルバスク錠(血管拡張剤)」を「ノルバデックス錠(腫瘍用薬)」と取り違えたものが3件などとなっている。

 

この記事で紹介されている事例は「アルマール(抗不整脈薬)」と「アマリール(血糖降下剤)」の取り違えです。この2剤を間違えるということは、心臓の拍動の乱れの治療が必要な人に、血糖値を下げる薬を出してしまう、ということです。この取り違えが起こると、本来治すべき症状を直せないだけではなく、正常な血糖値を過度に低下させて、最悪の場合には意識障害や昏睡という状況を引き起こします。

 

アルマールとアマリールという名前はたしかによく似ています。遠目でみると、ほとんど同じつづりです。どちらがどちらの薬だっけ、ということも容易に起こりえます。どちらかの名前を変更しない限り、このようなミスがゼロになることはありません。アルマールとアマリールの場合は、アルマールの名前がアロチノロール塩酸塩錠「DSP」に変更することで、取り違えを防止することになりました(アロチノロール塩酸塩は、アルマールの主成分、DSPは発売元の大日本住友製薬の英文名の略です)。

 

アルマール:取り違い防止を目的に商品名を変更:日経メディカル オンライン
アロチノロール塩酸塩錠 ...

 

とはいえ、世の中にある似たような名前の薬を、全て新しい名前に付け替えるのは、なかなか大変なことです。新しい商品名を一から考えるということはどんな業界でも難しいですし、新しい名前をつけたとしてもまた似たような名前になってしまう。なにかいい方法はないものでしょうか。

 

先日参加した学会で、某企業の方から「薬の取り違えを解決するためのプロジェクトが立ち上がっている」ということを聞きました。

 

「医薬品の商標名を漢字かな交じりで表記することで、薬の名前を見分けやすくしよう」というのです。このプロジェクトには、すでに複数の企業が参加し、水面下でネーミングの検討作業を行なっているということです。

 

このプロジェクトでは「薬の名前を見誤る一番の原因は何か」というところから議論が始まりました。長い議論の末に得られた結論は、「医薬品の商標名が基本的にカタカナで書かれていることが原因」というものでした。実際に書いてみるとわかるのですが、カタカナのみで書かれた単語や文章は、一見して見分けがつきません。日本語は、漢字かな混じり文で書かれているからこそ読みやすいのです。読みやすいということは、区別もしやすいということ。今の商標名の読み方は固定して、表記だけ漢字かな混じりに変更する。これなら、一からネーミングを考える必要はなく、漢字と仮名を当てはめていくだけで済みます。

 

某企業の方から、草案が書かれた書類も見せてもらいました。覚えてるものを書いてみるとこんな感じ。


ハルナール(排尿障害治療薬)→ 春成る
おしっこがスムーズにでて、春になったような気持ちよさ


カロナール(解熱鎮痛薬)→ 軽成る
熱が下がって、体がすっと軽くなる


アレジオン(花粉症治療薬) → 荒れ慈恩
鼻の荒れがおさまって、慈恩を受けたような感じ。


アスピリン(解熱鎮痛薬)→ 明日陽凛
熱が下がって、明日は日の当たる場所で 凛とする。


リピトール (コレステロール低下薬) → 理皮取る
理論的に皮下脂肪の元のコレステロールをとる


ハルシオン(睡眠薬) → 春詩音
春の暖かい日、詩を吟じる音を聞くと眠くなる。


まだまだ色々とあったのですが、あまりに多くて忘れてしまいました。少なくとも、字面はこれまでのカタカナの無味乾燥なものとは異なって見やすいです。薬の持つイメージも、なんとなく伝わってくるような気がします。メーカーの方の苦労と、薬にかける思い入れが伝わってきますね。

 

このプロジェクトがいつ日の目を見るのかはわかりませんが、それまでの間に「世の中の間違いやすい薬の名前」が少しでも改善されるといいな、と思います。 

 

 

 

お気づきとは思いますが、本記事は、エイプリルフールのネタでございます。くれぐれも、本気になさらぬよう。

関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

[ 2013/04/01 20:47 ] お薬作りの日記 | TB(-) | CM(-)
 

スポンサードリンク

この日記のはてなブックマーク数

このブログが生まれて
最近のコメント
プロフィール

薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
病院でもらった薬の値段
http://kusuridukuri.cho-chin.com/

お薬の名前の由来
http://drugname.onmitsu.jp/

ミニ提灯データベース
http://kentapb.nobody.jp/
でどうぞ。


本ブログに関するご質問・ご意見などはこちらまで↓
ご使用の際は、@マークを半角に直してください。

kentapb@gmail.com

トラックバック


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...