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お薬の世界の「イブ」の話。 はてなブックマーク - お薬の世界の「イブ」の話。

今日はクリスマスイブ。英語で書くと" Christmas Eve"ですね。

 

Eveは、祝日や教会のお祭りなど「大事なイベントの前日・前の晩」を表す言葉です。"Eve"という単語は、夕方(evening)を表す"even"から生まれました。日本では、「イブ」といえばクリスマス・イブをイメージしますが、クリスマス以外にもイブという言葉を使う場面はあるのですね・

 

お薬の世界でも"イブ"という名前が用いられています。ご存じの方も多いと思いますが、"イブ"(EVE)は、エスエス製薬が発売している鎮痛薬のブランドです。

 

 エスエス製薬「イブ」ブランドサイト

 

”イブ"の名前は「イブプロフェン」という化合物の名前に由来すると言われています(ただし、正式なソースは見当たりません)。イブプロフェンは、1960年代に英国の製薬会社によって開発された、解熱鎮痛作用を持つ化合物です。

 

「イブ」の由来は、「イブプロフェン」の「イブ」に由来する、とすれば、非常にわかりやすいお話です。ただ、英語の目でみてみると、いろいろとズレは出てきます。

 

イブプロフェンを英語で表記すると、"Ibuprofen"となり、イブの英語表記の”EVE"とは異なります。まぁ、日本ではイブと言えばクリスマスイブ。皆が見慣れた”EVE”のスペルのほうが”IBU"より圧倒的に見栄えがいいような気はします。風邪薬は冬に売れるものなので、季節的にもピッタリですし、コマーシャルもしやすいかもしれません。”EVE”のスペルにしたのもわかるような気がします。

 

あと、スペル以前に、Ibuprofenの英語での発音は「イブプロフェン」ではありません。

ちゃんとした発音へのリンク

あえてカタカナで書くと、「アイビュピュロフェーン」みたいな感じ。スペルの先頭のIは、「イ」じゃなくて「アイ」と読むんですよね。イブプロフェンというのは、あくまで日本人が日本語的に読んだ時の名前というわけです。

 

イブという名前の正式な由来は不明ですが、「日本語読みのイブプロフェンと季節柄?お似合いのEVEというスペルを組み合わせた」っていう仮説はありそうな気がします。

 

以下、イブプロフェンについてのお話を少し。

 

イブプロフェンは、シクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase:COX)という酵素の働きを止める作用を持ち、COX阻害薬と呼ばれます。COXはプロスタグランジンという物質を合成する働きを持ちます。プロスタグランジン(特にPGE2とよばれる種類)は、炎症のときにCOXはにより産生され、痛みや発熱の原因となります。イブプロフェンは、プロスタグランジン産生を抑制することで、痛みや発熱を軽減します。

 

日本では、イブプロフェンはもともと医療用医薬品(医師によって処方される医薬品)として使用されていました。しかし、1985年(昭和60年)、イブプロフェンは一般用医薬品(医師の処方箋なしで購入可能な医薬品、カウンター越し over the counter に購入することか「OTC医薬品」とも呼びます)に指定されました。

 

イブプロフェンがOTC医薬品となったことで、イブプロフェンは薬局やドラッグストアで手軽に購入できるようになりました。各社がイブプロフェンを配合した風邪薬を発売した中、エスエス製薬が1985年に発売を開始したのがイブシリーズです。イブシリーズ(イブ、イブA錠、イブクイック頭痛薬)には、イブプロフェンが配合されていることから、ブランド名の”EVE"は「イブプロフェン」のイブなのではないか、と言われています(ちなみに、イブシリーズのなかでも、外用剤であるイブアウターシリーズについては、イブプロフェン以外のCOX阻害薬(インドメタシンもしくはジクロフェナクナトリウム)が配合されています)。

 

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[ 2012/12/24 19:24 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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