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コーラとトクホという組み合わせは、面白いんだけど。 はてなブックマーク - コーラとトクホという組み合わせは、面白いんだけど。

キリンビバレッジの「メッツコーラ」が、今話題になっています。「食事の際の中性脂肪の吸収を抑える作用」を有する特定保健用食品(トクホ)として認められたからです。

 

キリンビバレッジ | メッツ コーラ

「脂肪を断つんだジョー!」の段平の叫びはしびれます。

 

 

トクホというと、「健康によい」というイメージがまず頭に浮かびます。「そもそも、トクホって何?」ということについては、このサイトの説明がわかりやすいです。

 

トクホ(特定保健用食品)とか栄養機能食品って何?|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局





このサイトからトクホについての説明を引用してみます。

トクホは、個々の製品ごとに消費者庁長官の許可を受けており、保健の効果(許可表示内容)を表示することのできる食品です。 他の食品と違うのは、からだの生理学的機能などに影響を与える成分を含んでいて、血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、お腹の調子を整えるのに役立つなどの特定の保健の効果が科学的に証明されている(国に科学的根拠を示して、有効性や安全性の審査を受けています。)ということです。 

 

つまり「体調の調節や病気の予防につながる作用を持ちかつ安全性に問題がない」ことを、国が科学的見地から認めた食品ということです。

 

そんなトクホに、不健康なイメージの代表格(?)、コーラが殴り込みをかけるというのは、非常に意外な印象を持ちました。商品のインパクトという点では、非常に優れたアイデアだと思います。

 

メッツコーラは、体内への中性脂肪の吸収を抑制するとされています。このメカニズムで、重要な役割をはたすのは「難消化性デキストリン」と呼ばれる化合物です。難消化性デキストリンは、ブドウ糖がたくさん繋がってできたデンプンの一種で、消化されにくい性質を持っています。難消化性デキストリンは、これまでにトクホとしても厚労省から許可されている化合物で、糖や脂肪の吸収を抑制されることも知られていました。

 

難消化性デキストリン|食物繊維の分類と特性|そもそも食物繊維って?|食物繊維を摂ろう!|大塚製薬




食物中の脂肪は、そのままでは腸管から吸収されません、脂肪は、消化管の中でリパーゼという酵素によって分解されて、脂肪酸とモノグリセリドという物質になります。これは、脂肪のままでは消化管から吸収されないため、吸収しやすい形にする必要があるからです。

 

脂肪酸とモノグリセリドは、胆のうからでる胆汁酸といっしょになって「ミセル」という粒を作り、消化管の中を移動します。脂肪が吸収される部位にミセルが到着すると、ミセルから脂肪酸とモノグリセリドが放出されます。これらの物質は腸から吸収されると体内で中性脂肪に再合成され、血液中に取り込まれます。

 

難消化性デキストリンは、胆汁酸によるミセルの表面に張り付いて、脂肪酸とモノグリセリドがミセルから放出させないようにします。すると、腸から中性脂肪の原料となるこれらの物質が吸収されず、血液中に取り込まれる中性脂肪の量も減るというわけです。

 

さて、それではメッツコーラの中性脂肪吸収抑制作用というのは、どれくらいのものでしょうか。メッツコーラのホームページで紹介されている結果をみてみます。健常成人50人を対象とした試験で、食事摂取後の血中中性脂肪量の変化量を調べた試験です。

 

2012 05 01 2142

 

 確かに、対照飲料に比べるとある程度の吸収抑制作用が認められています。ただ、この抑制作用がどれだけ意味のあるものなのか、については判断が難しいところでもあります。「この程度の低下であれば、食事のメニューを気をつけるレベルでもなんとかなるのではないか」とか、「ものすごく脂っこい食事なら効果がないんじゃないか」とか、こういうデータを見ると色々思うところはあります。

 

また、中性脂肪吸収抑制作用を健康に結びつけるためには、毎日続けて飲み続けることが大事です。しかし、しかしコーラという飲み物である以上、毎日毎日飲むのは「飽き」がくるんじゃないかなぁと思ったりします(若い人は大丈夫なのかな)。まぁ、メーカーのサイトによると「糖質ゼロ」ということなので、糖分やカロリーのとりすぎなんてことはあまり心配しなくてもよさそうですが。

 

コーラにトクホという組み合わせは確かに面白いのですが、やはり話題先行型なのかな、とも思っていまいます。トクホというのは、作用がそれほど強くない分、毎日きちんと摂取していくことが大事です。コーラという飲み物が、そういう使われ方に合っているのかどうかも含めて、よりよい使い方(飲み方)なんてのをアドバイスしてもらえるとありがたいなと思います。

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[ 2012/05/01 22:04 ] ひとりごと | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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