薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

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どこまでなら話してよくて、どこからは話してはいけないか。 はてなブックマーク - どこまでなら話してよくて、どこからは話してはいけないか。

研究や技術開発の世界は、一番乗りを狙う競争の世界です。この世界では、最初に発見・発明したものに最大の栄誉と利益が与えられます。そのため、情報のやり取りに関しては、非常にナーバスになる機会が多いと言えます。

そんな中、こんな記事を見かけました。

 

whitemountfield's blog: Twitterで学生が研究内容を暴露している件について

 

 


「ツイッターなどの不特定多数が目に付くネット環境において、自分がやっている研究内容・研究方法について話している学生さんがいる」というのが、この記事の内容です。この記事に例として取り上げられている学生さんは、おそらくは研究経験があまりない学部生(もしくは修士)の方なのではないかと推測します。このような人たちの中には、「どこまでなら話してよくて、どこからは話してはいけないか」が実感できていない事が多いです。

 

これは、自分の研究についての内容の中身が十分認識できていないことが原因だと思われます。「自分の研究の中のどこまで話しては良いのか?」を判断するためには、「どこまでがこれまで知られていて、どこまでが知られていない新事実なのか」「類似研究の中で自分の研究のどこが新しくかつ優れているのか」ということを把握することが必要です。研究の世界に入りたての時は、これらのことをあまり意識せず、指導教官に言われたことだけをやるという状況がありがち。そのため、「自分の研究の中のどこまで話しては良いのか?」が意識できず、不特定多数の前でどんどん情報を流してしまう、ということが起こるのだと思います。

 

研究というのは、自分一人だけでできるものではありません。研究過程でわからないこと・アイデアに詰まるときは誰にでもあり、それを自分一人で解決できる人というのはほとんどいません。このようなときは、周りの人に相談なりアドバイスを貰うことで前にすすめる、ということは普通です。

 

学生さんの場合、「周りの人」としてまず挙げられるのは、同じ研究室の指導教員や先輩になる事が多いです。私が学生だった頃は、学会で発表などをしたり指導教員が持つ外部とのつながりを利用しない限り、この「周りの人」を超えた情報のやり取りってのはなかったような気がします。

 

しかし、ネット環境などが発達した現代では、「周りの人」の定義は大きく変わりました。ネット環境の向こう側にいる、これまで直接のやり取りをしたことがない人とも情報交換ができるようになりました。ネット環境上にはたくさんの研究者が(しかも実名とか身分を明らかにした形で)交流をしています。そういう中で、自分の研究に関する疑問やアイデアを問いかけることができるのはすごいことだと思います。違う環境にいる人との情報交換やディスカッションが研究の起爆剤となることもよくあることです。

 

とはいえ、最初にも書いたとおり、研究というのは一番乗りを狙う競争の世界。「一番乗りのためには他者から美味しい情報を取り出そう」としている人たちもたくさんいます。自分にとっての美味しい情報やヒントは、他者にとってももちろん美味しい情報であったりすることが多いのです。

 

自分一人の実験については、「話してはいけないこと」を話してしまったとしても自分にダメージが来るだけですみます。しかし、他者(例えば同じ研究室の先輩の仕事とか)の仕事や、自分の所属する研究室の仕事について、「話してはいけないこと」を話してしまうと、これは非常に迷惑をかけることになりえます。

 

研究経験の多少に関わらず、外に意見を求めるのは良いことです。しかし、研究経験の少ない人は、外の人に話を聞こうとする前に「自分は話してはいけないこと、は何かと考えること」、「判断できないと思われたときは、最低限自分の中で収まるレベルの話題に留めること」という2つのことを頭に入れておいたほうが良いと思います。 

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[ 2012/04/30 22:55 ] お薬作りの日記 | TB(-) | CM(-)
 

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プロフィール

薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
病院でもらった薬の値段
http://kusuridukuri.cho-chin.com/

お薬の名前の由来
http://drugname.onmitsu.jp/

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