薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

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基礎研究と応用研究とをつなぐ橋。 はてなブックマーク - 基礎研究と応用研究とをつなぐ橋。

「〇〇の仕組み解明、××の治療に応用期待」なんてタイトルのマスコミの報道をよく見かけます。このブログでも、ときどきそのような話題について取り上げたりしています。

このような報道は、これまで星の数ほど行われてきました。しかし、「××の治療」に応用できたものが果たしてどれだけあるのか、ということを考えてみると、パッと思い浮かぶものはなかなかありません。もちろん、さらなる基礎的な研究は続いているのでしょう。ただ、そこから先、新薬という結果が出せたのか、そこまでいかないまでも、その発見を元にした薬をつくろうという動きがあるのか、といわれると、多くのものはそこまでいかないのではないかと思います。

治療薬の研究を開始して、それを薬を作り出すのには、10年(もしくはそれ以上)の期間がかかります。新しい発見を元にした薬の開発が製薬会社で行われているとすれば、何らかの形で進捗がわかるものです。例えば、特許とか臨床試験の情報を見ていれば、うまく行ってるかどうかはともかく、何をやっているかは、おぼろげながらわかります。そんな中、話があまり聞こえてこないとすると、やはり薬を作るプロセスにあるものが少ないんじゃないかな、と思います。

基礎的な研究の結果っていうのは、すぐ薬作りにつながるものではありません。研究開発へと投資をするには、それなりの強い根拠が必要です。「〇〇の仕組み解明」とはいうものの、その仕組みが一つの病気のことををすべて決めるとは限りません。実際は、そうでない場合も多く、そのことは臨床試験で調べるまでわからなかったりします。

現在の創薬の技術では、発見の対象となった遺伝子とかタンパク質だけを狙う化合物を作り出す、ということは、昔よりは容易にできるようになりました(それでも大変な作業ではありますが)。難しいのは、「狙った遺伝子とかタンパク質が、本当にヒトの病気の主要な原因なの?」ということをいかに見極めるか、というところ。この疑問は、「基礎研究と応用研究とをつなぐ橋」といえます。

現在、力が大きく注がれているのは「メカニズムを見つけること」で、そこから先の「基礎研究と応用研究とをつなぐ橋」を作り出すことについては、余り効率よく動けていない様な気がします。「本当にヒトの病気の主要な原因なの?」という疑問に切りこむのが得意なのはどのような人たちなのでしょうか。おそらく、医学部と薬学部の研究者なのだと思います。医学部は、「ヒト」という対象から切り込み、薬学部は「モノ」という対象から切り込みます。もちろん、創薬に取り組む側からも積極的なアプローチが必要だと思います。

メカニズムの解明のその先、基礎研究と応用研究との橋渡しというのは、現在もこれからもとても大事な事。意識していかなくてはいけませんね。
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[ 2012/02/08 23:25 ] お薬作りの日記 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
病院でもらった薬の値段
http://kusuridukuri.cho-chin.com/

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http://drugname.onmitsu.jp/

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