薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

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薬は簡単に毒になるが、毒は簡単に薬にはできない。 はてなブックマーク - 薬は簡単に毒になるが、毒は簡単に薬にはできない。

薬を大量に投与したら毒になるけど、毒を薄めたからといって必ず薬になるわけじゃありません。要は、薬は簡単に毒になりますが、毒は簡単に薬にはできない、ということです。

薬も毒も、生体に何らかの生理作用をもたらす化学物質という点では同じものです。薬と毒で違うところは、「使う人にとって役に立つか害になるか」というところです。薬は使う人の益になり、毒は使う人の害になる、というわけです。もちろん、益と害の両方が同時に出ることもあります。その際は益と害を天びんにかけて、益が勝るものが薬、害が出るものが毒です。

「毒として見つかったものが、使い方を工夫して薬として使われる」というパターンは、ないわけではありません。古くから伝えられている生薬由来の薬とか、食中毒の原因であるボツリヌス菌からできるボツリヌス毒素、などなど、複数の例をあげることができます。

とはいえ、それがどんなものにも当てはまるわけではありません。薄めようが何をしようが、益を与えない単なる毒ってのは当然存在します。毒の全てが、使い方によっては人の役に立つ薬になる、というのであれば、薬をつくる立場としては非常に楽なのですが、そうは上手くいかないのが現実です。

創薬に携わる人たちが、研究所の中で作り出すたくさんの化合物も、大抵の場合は「毒」です。もちろん、「薬」になるものを探そうと頑張っています。大抵の場合は、天秤にかける以前に益がない、と判断されます。数少ない「益がある」ものを用い、患者さんを対象にした臨床試験をおこなっても、最後の最後で、やはり「害のほうが勝る」という結果が出ることもあります。もちろん、そういうものは世の中に出ることはなく、研究所の倉庫のなかでお蔵入りということになります。

私たち創薬に携わる人間の仕事は、そういう「毒」をヒントに、更にいろいろな新しいものを作り出して、「益」が大きい化合物を探しだし、どういう「害」があるのかを詳細に調べ、薬として通用するかどうかを判断できるようにすることにあります。毎日が、「毒を見つけ、毒を変化させ、薬にしようと頑張る」というプロセスの繰り返し。

こう書いてみると、日頃のお仕事は、本当に毒に囲まれたお仕事なのだなぁ、と思います。毒を薬に変える錬金術のようなお仕事、ってことなんでしょうね。めったにうまくいかない、という点も含めて。
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[ 2012/01/11 21:59 ] お薬作りの日記 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
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http://kusuridukuri.cho-chin.com/

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