「薬といえば苦いもの」とおもわれている方は多いかも知れません。このイメージの元ともいえる「良薬は口に苦し」ということわざは、孔子の言葉といわれています。昔の薬は、植物の葉や茎などを煎じて飲むことがほとんどだったので、苦味を感じるというのは至って普通だったのでしょう。
それでは、こういう薬の中で、特に苦いものっていうのは、どういうものがあるのか?気になったので調べてみました。
調査対象は、第十六改正日本薬局方に掲載されている生薬。日本薬局方とは、日本国内で使用される医薬品の規格基準書で、日本で頻用されている医薬品が中心に収載されています(
厚生労働省のホームページからダウンロード可能です)。日本薬局方には、薬用植物や動物などから得られる「生薬」についての項目があります。そのなかには、個々の生薬について「生薬の性状」という項目があり、その項に形やにおい、味などが記載されています。ここで扱われている「性状」というのは、煎じるなどの加工をするまえのものを指しています。
生薬にはさすがに苦いものが多いのですが(とはいっても、甘いものや無味無臭のものもあります)、その中から、見ただけで「強烈そうだなぁ」というものをピックアップしてみました。こういう薬は、もちろん効き目がある良薬なのでしょうが、やはり飲みたくはないものです。
味は極めて苦いアロエ、ユウタン、リョウキョウ
ユウタンは熊胆、つまり熊の胆汁です。胆汁と聞いただけで、苦味と言うかえぐ味を思い起こしてしまいます。余り味わいたくはありません。リョウキョウは良姜、感じを見て分かる通り、生姜の仲間です。
味は極めて苦く、残留性であるオウレン、センブリ、ホミカ、クジン、ニガキ、リュウタン
苦い上に舌に残る感じ、ああ、これは飲みたくはないものです。センブリは「千回振出してもまだ苦い」が名前の由来。センブリの苦味成分のなかでも、アマロスエリンは自然界最強の部類に入る苦味物質です。ホミカは、マチンという植物の種。この種には、有毒物質なストリキニーネが含まれています。飲み方を間違えると、苦いと言うより苦しくなる感じ。クジン(苦参)、ニガキ(苦木)は、文字通り「苦」の文字が入っていて、見るだけで苦そうです。リュウタンは、タンの字が入っていますが植物の根です。
味は極めて渋く苦いアセンヤク
渋味と苦味のダブル攻撃、、、アセンヤクは、正露丸にも含まれています。ただ、正露丸の強烈な匂いの原因は「木クレオソート」であり、アセンヤクのものではありません。とはいっても、正露丸をもしバリバリ噛んだとしたら、味的にもすごいことになるのはまちがいないような気がします。
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