薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

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もうひとつのドラッグラグ。 はてなブックマーク - もうひとつのドラッグラグ。

今年は、私がいる製薬業界では「2010年問題」という大きな問題の入り口となる年でした。

製薬会社の主力製品が、2010年を境に続々と特許切れを迎え、安価なジェネリック医薬品に続々市場を奪われる。そして、その売上減の穴を埋める新薬がなかなかでてこない。

新薬が出てこない原因はいろいろあるのですが、そのなかでも大きな割合を占めているのは、「新薬のターゲットとして、ガンやアルツハイマー病、自己免疫疾患、糖尿病の合併症などの、原因が十分解明されていない難病しか残っていない」ということです。

これらの病気は、ヒトでの病態が十分解析されていないので、病態の鍵となる部分がわかりません。そのため、切れ味が鋭い(効果が強い)薬をなかなか作ることが出来ません。

創薬の現場(とくに薬理評価の部門)では、このような状況は相当前から意識はしていました。自分が薬作りに携わってきて、「研究所から薬出すのが大変だな」と思いだしたのは2000年代に入ってからでしょうか。2010年も終わろうとしていますが、年がたつに連れ、この思いは強くなっています、

ヒトゲノムが解明され、いろいろな遺伝子やタンパクがわかっても、有象無象のターゲットが増えただけで病気との関連がやっぱりよくわからない。それをしらべるにはアカデミアとの協力とそれなりの(実の有る結果が出るには、ある程度長いスパンでの)時間が必要です。

新しい発見や技術が市場に変化を起こすのにラグがあるのは、製造業のどの分野でもあてはまります。しかし、新薬の場合はこのような基礎研究の過程に加え、商品の開発自体に長い時間(~10年)がかかるので、このラグは他の業界に比べ非常に大きくなります。

海外で使われている薬が日本ではなかなか認可されない状態をドラッグラグとよびますが、創薬の現場で見られる「ラグ」も、別の意味での、しかも避けることが出来ない「もうひとつのドラッグラグ」です。

そして、2010年問題の深刻さは、この「もうひとつのドラッグラグ」に起因しているのだと思います。



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[ 2010/12/30 23:54 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
病院でもらった薬の値段
http://kusuridukuri.cho-chin.com/

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http://drugname.onmitsu.jp/

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