薬作り職人のブログ

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とっかかりのブレークスルー。2010年ノーベル生理学・医学賞。 はてなブックマーク - とっかかりのブレークスルー。2010年ノーベル生理学・医学賞。

今週は、ノーベル賞Week。今日は、私のお仕事分野であるノーベル生理学・医学賞の発表。この時期は、毎年、どんなネタが受賞対象になるのかワクワクする時期です。

で、今年の受賞者は誰かというと、、

イギリスのロバート・エドワーズ氏。受賞理由は、「体外受精技術の開発」です。

「体外受精技術(In Vitro Fertilization)」は、文字通り、受精卵と精子を体外で受精させ、受精卵を分裂させた後に子宮へ戻して妊娠を成立させる技術です。「In Vitro」というのは「試験管内で」ということを表す言葉。体外受精技術で生まれた赤ちゃんのことを、この技術が開発された当時は「試験管ベイビー」と呼んでいました(英語ではそのまま "test tube baby"と呼んでいます)。

エドワーズ氏が報告した最初の成功例は1978年。成功が報じられた時は大ニュースになりました。まだ小学生だった私でも、この時のニュースは覚えています。それから32年。現在では、体外受精技術は不妊治療として広く行われるようになりました。

今回の受賞は、ここ数年の受賞とはちょっと毛色が変わっています。

去年、一昨年のノーベル医学生理学賞は、「テロメアとテロメラーゼ酵素が染色体を保護する機序の発見」「子宮頸癌を引き起こすヒトパピローマウイルスの発見」「ヒト免疫不全ウイルスの発見」「胚性幹細胞を用いての、マウスへの特異的な遺伝子改変の導入のための諸発見」など、基礎的な研究・発見の受賞が続いてきました。

一方、「体外受精技術」については、基礎科学としてのブレークスルーというよりは、医療技術のブレークスルーといえます。この技術自体は、新しい概念による新規技術ではありません。技術のブレークスルーというよりは、ヒトの生殖という聖域にあえて挑戦したという、「とっかかりのブレークスルー」といえるでしょう。

もちろん、体外受精技術に代表される生殖医療においては、当初予想もしなかったさまざまな倫理的問題も存在します。この点で、体外受精技術は、「聖域に挑戦しブレークスルーを成し遂げた、その後こそ科学以外の観点からの問題点をきちっと考えていかなくてはいけない」ということを世界に知らしめたとも言えます。そういう意味においても、ノーベル賞をもらうだけのインパクトはあったのかもしれません。




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[ 2010/10/04 23:11 ] お薬作りの日記 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
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