薬作り職人のブログ

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多発性硬化症治療薬FTY720(ジレニア)がFDAで承認。 はてなブックマーク - 多発性硬化症治療薬FTY720(ジレニア)がFDAで承認。

先日、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、ノバルティス社の多発性硬化症治療薬「ジレニア」を承認しました。FDAによる承認は、長い研究開発・臨床試験の末に訪れる新薬開発のゴール。多発性硬化症の経口治療薬(飲み薬)はこれまで報告されておらず、患者さんにとっては大きなメリットとなる重要な薬です。

このジレニア、私達、研究現場の人間にとっては、FTY720というコードネームでの呼び方の方が愛着があります。現在はノバルティス社が開発していますが、このFTY720、もともとは日本の吉富製薬(現在は田辺三菱製薬)により発見されたものです。ノバルティス社は、田辺三菱製薬からライセンス権をうけて臨床開発を行なっています。今回のFDA承認で、田辺三菱製薬には多額のライセンス料が支払われることになりそうです。

FTY720は、炎症反応に関与するリンパ球に作用します。

これらのリンパ球は、通常はリンパ節という組織に根城を持ち、リンパ節から血液に流れ出ることで全身へと運ばれます。そして、外敵を見つけると戦闘モードに入り、この戦闘の過程で炎症反応がおこるのです。炎症が過剰に起こりすぎると、体内の様々な細胞に影響を与えます。例えば、多発性硬化症では、神経の表面を覆うシュワン細胞という細胞が炎症を起こし壊れてしまいます。そのため、手足のしびれ、麻痺、視覚障害、脳症状、などのさまざまな神経障害が起こります。

FTY720はリンパ球がリンパ節から血液にでれないようにします。血液を介して全身を回っているリンパ球は、最後にはリンパ節にもどってくるのですが、FTY720が存在するとリンパ節から再び血液に出ることは出来ません。

そのため、血液中のリンパ球の数は減少し、これにひきつづいて炎症部位のリンパ球も減少します。すると、リンパ球の過剰な反応が抑えられ、炎症も抑えられるというわけです。

日本では、FTY720は臨床試験を実施しているところです。というわけで、他の新薬と同様、海外の方が先に市場で用いられるという「ドラッグラグ」が生じることになります。日本生まれの新薬、早く国内でも使用できるようになって欲しいものです。




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[ 2010/09/24 23:51 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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