薬作り職人のブログ

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神経変性疾患の新薬を開発するには。 はてなブックマーク - 神経変性疾患の新薬を開発するには。

アルツハイマー病やパーキンソン病など、神経細胞が死に至る病気はたくさんあります。これらの病気(神経変性疾患とよばれます)では、神経細胞が死に至ることで記憶学習機能や運動調節機能に重大な障害を起こします。

大人の神経細胞(ニューロン)はどんどん分裂して増える細胞ではありません。成人の脳には、ところどころに神経細胞の元となる神経幹細胞という細胞が存在してはいるのですが、障害を起こした神経細胞をバックアップするに十分なだけの数と能力は持ち合わせていません。

というわけで、神経細胞がどんどん死に至る状況に陥ると、ヒトの体内では神経細胞を補充するてだてはなく、良い状態に戻ることはとても難しいことになります。

現在、神経細胞死が原因となっている病気については、神経細胞死をとめたり、神経細胞の数を増やして神経細胞を補充する薬はありません。「生き残っている神経細胞の機能を高め機能を改善する」というのが限界です。

神経細胞の機能を改善する薬の場合、神経細胞の数が減るのを止めることは出来ません。そのため、薬により病気自体の進行は一時止まるように見えますが、神経細胞の破壊は進んでいるので、ある一定の期間が経てば症状は必ず悪化します。

一方、現在の新薬開発においては、神経細胞の数を増やす方向のアプローチはなかなか難しいものがあります。狙った部位に神経幹細胞を引き寄せ、都合よく増殖させることができないからです。このあたりは、薬というよりは外科的な手技を用いた再生医療の出番かな、という気がします。

新薬の出る可能性があるとすれば、やはり「神経細胞死を止める」ことに注目した薬でしょう。ただ、神経細胞死の原因には様々なルートが存在するので、ある一つの標的タンパク質の働きを止めたとしても十分な作用を示せない可能性があります。培養細胞を使った試験と、動物や患者さんを対象とした試験で大きな差が出るのは、こういうところに原因があると思われます。

神経細胞死を止める薬の場合、やはり死んでしまった神経細胞の補充はできません。そこで、できるだけ早い発症段階での治療開始が必要となります。新薬開発だけでなく、早期発見のための診断技術の進歩も欠かすことが出来ないのです。

神経細胞死が起る病気の新薬開発は、いろいろと難しい要素が多く、なかなか良い成果は得られていません。研究者にとっては、まだまだ厳しい時代が続きますが、いつかくるブレークスルーを信じたいと思います。




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[ 2010/08/22 23:23 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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