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科学は特別なものじゃないー「科学との正しい付き合い方」 はてなブックマーク - 科学は特別なものじゃないー「科学との正しい付き合い方」

今週は仕事が忙しかったのですが、なんとか時間を作って本を一冊読みました。

内田麻理香さんの「科学との正しい付き合い方

著者の内田さんは「身近な生活の中の科学を紹介することを通じて、科学と社会の距離を縮める」ことを目指す、「サイエンスコミュニケーター」と呼ばれる活動をされています。

例えば、科学の世界を身近な家事を通じて紹介する「カソウケン(家庭科学総合研究所)」を主宰されたり、NHK教育テレビの科学番組「すイエんサー」で、「失敗の達人」の名のもと「失敗を通じた科学・科学的考え方」を、とてもわかりやすく紹介されています。

さて、そんな内田さんの最新著書が「科学との正しい付き合い方」。

「科学との正しい付き合い方」というタイトルは、この本が「普段科学とは縁のない文系の人」だけではなく「当たり前のように科学の世界を使っている理系の人」をも対象にしている、ということを表しています。

この本で、内田さんが伝えたいと思ってるのは以下の二つ。

科学の世界を知らない文系の人には「科学はそれほど縁遠いものではない。身近なもの、というところから付き合いはじめ、科学的考え方を自分の生き方で使ってみよう」という科学への誘い。そして、バリバリの理系の人には「正しく付き合っているように見えて、実は正しい付き合い方が見えてない人が多い」という警告。

この二つのメッセージをつなぐキーフレーズが「科学は特別なものじゃない」。

文系の人に対しては、「特別でない」ということを「料理やお化粧などの生活における様々な具体例」を用いて説明しています。「ごく当たり前のように思っている生活の1コマ1コマが科学で説明できる」ということから、「科学というのは、生活に新しい視点を与えるもの」であることを示します。そして、「新しい視点を与える」という点において、「文学や歴史のような学問・趣味と変わらない・科学だからと言って特別なものじゃない」と述べています。

一方、理系の人には厳しい意見が並んでいます。特に、「「科学は特別なもの」という、理系の人の先入観についての警告」(無意識にもっていそうなところが恐ろしい)については、読んでいて耳が痛い思いでした。内田さんは、「この先入観が、まわりまわって自分達の首を締め、科学と社会との距離を離している」ということを、昨年の「事業仕分け問題」を例に上げ、わかりやすく解説しています。

あと、この本全体を包み込むキーワードは「科学リテラシー」。

「科学リテラシー」とは、簡単に言うと「科学的知識をいかに「きちんと判断して」つかうか」についての方法論。ちなみに、「リテラシー」というのは、科学だけの特別な単語ではありません。例えば、「科学」を「ネット」なんていう別な言葉に直しても通用します。

「科学リテラシーの要点は、立ち止まって一度考える事」という理念をベースに、私達が普段生きていく上で、科学リテラシーをもつことがどのような役に立つかということを、具体例をたくさん上げて説明しています。

最後の章では「科学と社会を近づけるための方法論」について書かれています。いわゆる「科学系ブロガー」の末席にいる私には、非常に参考になりました。

内田さんの以下の意見には、大いに納得です:「科学を好きな人な向けの説明」と「科学を知らない人への説明」は方法論が異なり、現在は前者がほとんど。本当に望まれているのは後者のはずなのに実行する人がいない。これは科学の世界の人しか「科学と社会を近づける」作業に携わっていないから。だからこそ、文系の方に科学の世界を知ってもらい、「科学と社会を近づける作業」に加わってもらって、理系の世界への「批判も含めた率直な意見」を聞きたい。

というわけで、「科学との正しい付き合い方」は、文中に時々出てくる「生活の中の科学」を楽しみつつ、いろんなことを考えさせてくれる、非常に読み応えのある本です。文系、理系を問わず、お薦めの一冊です。

内田さんは、Twitterで@kasokenというアカウントで活躍されています。感想などを、直接ツイートしてみるのもいいかも知れませんね。

取扱い書店が限られてるので、Amazonで買うのが吉(私もAmazonで購入)。


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[ 2010/04/24 22:44 ] ひとりごと | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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