薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

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とけないことで頭をひねり、手を動かす。 はてなブックマーク - とけないことで頭をひねり、手を動かす。

薬って水に溶けそうなイメージがあるのですが、実はそうではありません。

薬の主成分である化合物は、水に溶けないものが非常に多いです。耳かき一杯分の粉を大量の水にいれて、どんなに激しく撹拌しても、全然溶けてくれないなんてことはよくある光景です。

多くの薬はタンパク質とくっつくことで作用を示します。薬とタンパク質の結合には、電気的な結合(プラスとマイナス)や疎水的な結合(油どうしはなじみやすいという感じ)が関与しています。

結合能力が高い薬、つまり高い活性を持つ薬は、この疎水的結合の能力が高いことが多いです。「疎水性」という言葉は、文字通り水を疎む性質、つまり水となじみが悪く、溶けにくいことを表しています。

水に溶けにくい、すなわち「疎水性が高い」薬で実験するのは苦労します。細胞さんに薬を与えるときには、きちんと薬が溶けていないといけません。そのため、有機溶媒で一度きれいに溶かした後、培養液で薄めたりするのですが、培養液で薄めた瞬間にドカンと粉が出てきたりすると(析出といいます)がっかりしてしまいます。

こういう場合、培養液中の有機溶媒の濃度をコントロールすることでなんとかなることが多いのですが、有機溶媒自体が細胞さんの機嫌を損ねたりすることもあるので、気が抜けないんですよね。

ネズミさんに薬を飲ませるときも、疎水性が高い薬は、胃や腸のなかでうまく溶け出さず、吸収が悪かったりするので困りものです。

どうしても溶けないものはしょうがないので、できるだけ均一になるように、乳鉢でゴリゴリと懸濁させる操作を行います。

これがまた面倒というか、しんどいというか。一種類だけならいいのですが、何種類もあると、慣れないうちはちょっと凹んでしまったり。まぁ、こういう仕事に限って、新人さんの最初のお仕事だったりするのですけどね。

実際に、私たちが薬をのむときは、粉薬や錠剤やカプセル剤として一気に飲み込んでしまうので「溶ける・溶けない」を意識することはあまりありません。研究の現場では、こういう「溶ける・溶けない」なんてところでも頭をひねってる人がいることを、覚えててくれるとちょっとうれしいかな、と思います。



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[ 2010/04/07 23:58 ] お薬作りの日記 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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