薬作り職人のブログ

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iPS細胞は実用化されている、という話。 はてなブックマーク - iPS細胞は実用化されている、という話。

日本のバイオ技術の最先端技術である「ヒトiPS細胞」。このiPS細胞、薬作りにも、いよいよ登場しつつあります。iPS細胞自体を薬とするのはまだまだ無理ですが、PS細胞を用いた評価法は、新薬開発の現場で一足先に実用化されています。

iPS細胞は、体のあらゆる臓器の細胞に変化(分化)する能力をもつ細胞です。ヒトの体細胞(例えば皮膚の細胞)に、「特定の遺伝子導入や化学物質による処理」を加えることで作成することができます。

iPS細胞は、もととなる体細胞を取り出したヒトの遺伝情報をそのままもっています。そのため、iPS細胞からつくりだした様々な臓器の細胞は、元のヒトにもどしても、理論的には拒絶反応を起こしません。

そのため、「iPS細胞を使って臓器(の一部)を再生し、臓器移植などの治療に使えるのではないか」という「再生医療」の考えのもと、世界各地でiPS細胞関連の研究が行われています。

しかし、現状では、iPS細胞から利用可能な臓器が作成出来るのか、実際にヒトに使用した時の安全性は大丈夫か、などの基本的な問題点が解決されていません。そのため、再生医療が実用化されるにはまだまだ時間がかかると考えられます。

一方、視点を変えると、新薬開発の現場ではiPS細胞が非常に強力な武器となることがわかります。

これまでの新薬開発では、動物実験からヒトでの作用・副作用を予測するしかありませんでした。ところが、ヒトと動物は、似ているようで実は違うところがたくさんあります。「動物実験とヒト臨床試験の結果が相関しないことがある」というのは仕方が無いことで、「この差をいかにして狭めるか」ということが長年の課題となっています。

ここで、ヒトiPS細胞の登場です。

ヒトiPS細胞が分化してできた細胞、たとえば心筋細胞、肝細胞、神経細胞などは、ヒトの臓器の働きをそのまま反映しています。つまり、iPS細胞から分化させた細胞を用いれば、ヒトでの臨床試験の前に、ヒトでの作用・副作用をある程度予測することが可能なのです。

実際、新薬の安全性評価では、iPS細胞から作られた心筋細胞を用いた評価法が実用化されています。

薬の心臓に対する副作用は、ヒトの命に関わる可能性もある危険なものです。しかし、考えてみればわかるように、実際にヒトの心臓を取ってきて、安全性を評価することはできません。

そこで、iPS細胞を分化させ、実際に拍動する心筋細胞を作成します。この細胞に対する薬の作用をしらべることで、ヒトの心臓に対する安全性を評価する事ができるのです。日本では、リプロセル社がこのような評価法を開発しており、実際に医薬品の安全性評価サービスを行っています。

リプロセル社:ヒトiPS細胞をもちいたQT延長assay

iPS細胞についてのマスコミの報道は、遠い将来の再生医療の方ばかり光が当たっているような気がします。実際は、もっと身近なところで地道に実用化がすすんでおり、これが新薬開発に大きな影響を与えていること知ってほしいと思います。


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[ 2010/02/25 22:33 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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