薬作り職人のブログ

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一人の細胞さんとのリアルタイムな対話 はてなブックマーク - 一人の細胞さんとのリアルタイムな対話

最近はご無沙汰ですが、以前は細胞さんと実験していました。

いろいろな実験があるのですが、一番印象に残っているのは「パッチクランプ法」という実験。一言でいうと、細胞さんに、ものすごく細いガラス電極を当てて、細胞に生じる電気活動を捉えるという実験です。

細胞の表面にはイオンチャネルという「蓋がついたトンネル」のようなタンパク質があります。細胞さんに電圧を加えたり、薬剤を与えたりすると、イオンチャネルの蓋が開き、特定のイオンが細胞のイオンチャネルを通り抜けることで、電気が生じます。

この試験が、ふつうの細胞さんとの実験と大きく異なるところは、扱う細胞さんの数です。普通の生化学的な実験で用いる細胞さんの数は、数千から数万個単位(これは実験の感度によって変わってきます)。それに対し、パッチクランプ法では、相手にする細胞さんの数は1個です。

パッチクランプ法では、顕微鏡下で実験に使えそうな細胞さんを選び(これは、経験が必要です)、ひとつの細胞さんを選んだら、電極を細胞表面にタッチ(刺すのではないです)させます。

パッチクランプ法での実験データはどくとくで、細胞さんの膜を通じて流れる電流の値がリアルタイムでパソコンのディスプレイに表示されます(昔はオシロスコープでした)。イオンチャネルを開く作用がある薬剤を細胞さんに加えると、ゆっくりと波形が変化して、電流が流れるのがわかります。そして、新薬候補化合物が、この電流の変化にどう変化を与えるかを調べるわけです。

電流の波形をベースにした、リアルタイムでの細胞さんとの対話。つーといえばかー、という表現がまさにぴったり。これは、やってて楽しいですね。

パッチクランプ法を専門にする実験者は、「パッチクランパー」なんで呼ばれています。一つひとつの細胞さんとの会話ができるパッチクランパー、なんかとっても素敵な響きです。

私は、もうしばらくパッチクランプ法とは縁がなさそう。ちょっと寂しく感じてます。その代わり、ネズミさんと仲良くしたいと思います。


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[ 2009/12/07 23:55 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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