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エコナ問題で、花王に足りないもの。 はてなブックマーク - エコナ問題で、花王に足りないもの。

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おしらせ
有機化学美術館・分館「エコナの件」について、著者のかたから以下のようなコメントが出ています(リンク先にも掲載されています)。

 ※この項目に関して、計算の根拠となった数値が間違っているというご指摘をいただきました(コメント12参照)。筆者は37.5mg/kgというのを単純にガンを発生した最低投与量と思いこんでいたのですが、資料を詳しく読んだところそういう解釈ではまずいようです。
 種々の動物試験によって、エコナ自体に発ガン性がないことは確認されています。また、グリシドールが発生するという証拠はなく、その安定性も低いことから、事実上安全性に問題はないだろうという筆者の見解は変わりません。ただし、本文中にある一升瓶27本うんぬんの数値に関しては取り下げさせていただきます。謹んでお詫び申し上げます。






花王の食用油「エコナ」の販売自粛の話については、様々なブログで話題になっています。今回の花王の対応については、好意的な意見・批判的な意見が色々と出ているようです。

花王の発表をまとめると、以下の3点になります。

1)エコナ製造の際に発生した副産物「グリシドール脂肪酸エステル」が、体内で発がん性をもつ「グリシドール」に分解される可能性がある。
2)安心してエコナを使用できるようにするために、エコナの製造方法を見直して、「グリシドール脂肪酸エステル」の発生量を問題のないレベルにまで低めることができるようになるまでは販売を自粛する。
3)エコナの安全性については、世界標準の試験を通じて問題のないことを確認している。

これを見る限り、解決すべき課題ははっきりしており、これに対する花王の対応策も適切なものだ、と私には思われます。

ただ、今回の一連の花王の発表でもの足りないのは、エコナの安全性について「数字を用いた説明」というのが丁寧になされていないということです。

花王のホームページでの公式発表を読む限りでは、「科学的根拠と客観的な評価」によってエコナの安全性が確認されている、とされているのですが、「科学的根拠と客観的な評価」を確認するのに必要不可欠な数字を用いた説明(定量的な説明)というのが、企業によってなされていないのです。

ちなみに、エコナに関する安全性についての議論は以下のブログで丁寧に解説されています。

有機化学美術館・分館「エコナの件」

このページの内容を大胆にまとめると、以下の通りです。

a)動物実験から想定される、ガンを発生するために必要なエコナの摂取量は1日27kg、一升瓶18本分。
b)ヒトと動物との間で発がん性に差がある危険性を考え、この100の1量(安全係数)を考えたとしても1日270g。

1日270gエコナをとることは、おそらく普通の生活ではないでしょうから、実質エコナの安全性には問題はないという結論になります。

このような議論は、厚生労働省へのトクホ申請時に、花王の社内でも行われているはずです(新薬開発の時と同じ方法論)。専門用語などをたくさん用いているので、社内の議論をこれほど簡明な書き方では表せないとは思います。しかし、一般の消費者に対して、よりわかりやすい表現を用い、数字を用いた明確な説明をする責任が、花王(企業)にはあります。

「当事者以外の一般の市民が、市販製品の安全性を解説しないといけない事態」というのは、あまりほめられたものではありません。企業の説明責任が求められる時代、一般市民に対する説明の仕方について、企業は今一度見直すべきではないかと考えます。

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[ 2009/09/27 22:20 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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