薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

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風邪薬から生まれた抗うつ薬。 はてなブックマーク - 風邪薬から生まれた抗うつ薬。

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昔使われていた風邪薬の成分に、ピリベンザミンという化合物があります。ピリベンザミンは、日本の風邪薬の代名詞「ベンザ」の名前の由来にもなっている日本人にも関わりが深い化合物です(現在のベンザシリーズには残念ながらピリベンザミンは含まれていませんが)。

このピリベンザミンから生まれた抗うつ薬があります。それは、フルボキサミン(商品名ルボックス)です。

ピリベンザミンは、風邪の症状を引き起こす生体内物質「ヒスタミン」の働きを抑える、抗ヒスタミン薬と呼ばれるタイプの薬です。しかし、ピリベンザミンには、実はもう1つの顔がありました。

ピリベンザミンは、中枢神経の神経伝達をコントロールしている「セロトニン取り込み機構」「ドパミン取り込み機構」の働きを止める作用を持っています。セロトニンやドパミンは、神経細胞から分泌され神経伝達に関わる化合物。セロトニンやドパミンは、神経伝達の働きを終えると神経細胞の中に再び取り込まれ、その働きを終えます。ピリベンザミンは、この取り込み機構の働きを止めるので、セロトニンやドパミンの働きを強めることが出来ます。

ピリベンザミンの中枢作用は、薬物の乱用につながるとされ、ピリベンザミンが風邪薬の成分として使われることは無くなりました。しかし、この作用を逆に薬として使えないか、というアイデアが起こりました。

その頃、うつ病ではドパミンやセロトニンの働きが弱まっている、という事実が知られるようになりました。そこで、ピリベンザミンを抗うつ薬として使うことが出来ないか、という研究が始まりました。

製薬会社の研究者は、ピリベンザミンの構造を改良し「セロトニン取り込み機構」だけを選択的に止め、抗ヒスタミン薬としての余計な作用をなくす、という方向で研究を進めました。その結果産み出された薬が「ルボックス」なのです。

風邪薬と抗うつ薬、まったくつながりがなさそうなモノをうまいこと結びつける、そのための視野の広さ・発想の柔軟性は、新薬開発にとって非常に大事です。常日頃からの勉強と頭のトレーニングが大事だな、と現場の人間として痛感しているところです。

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[ 2009/09/13 14:28 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
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