薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

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耐性菌を作らない方法。 はてなブックマーク - 耐性菌を作らない方法。

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抗生物質や抗ウイルス薬を使う上で、
必ず考慮しなくてはいけないのは「耐性」の発現。

抗生物質や抗ウイルス薬に、
細菌やウイルスが頻繁に晒されてると、
ほぼ間違いなく耐性菌が発生します。

参考記事
耐性ウイルスのつくり方。

というわけで、耐性菌を作らないためには、
できるだけ細菌やウイルスに薬を晒さないことが大事。

極端な話、耐性菌に効果がある新薬が世の中に出る際には、
「既存の薬剤で効果がない場合に限り使用を認める」
くらいの縛りがないといけないと思います。

しかし、現実には、なかなかそうはいかないもの。
新しいよく効く薬というのは広く使われて欲しい、
というのが作り手側の気持ちでもありますから。
(もちろん、会社の経済的な側面というのもあります)

そんな中、上記の縛りを実現してしまった薬があります。

ケテック(サノフィアベンティス、主成分テリスロマイシン)
という抗生物質が、その薬です。

このケテックは、化学構造に工夫を加え、
耐性菌に効果がある抗生物質として華々しく発表されました。

しかし、臨床で使用されるうちに様々な副作用が確認され、
ケテックの添付文書には、こんな警告文がでることに。

「警告:意識消失、肝炎等の重大な副作用があらわれることがあるので、他の抗菌剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること。」


この警告により、ケテックの使用には強い制限がかけられ、
使用される頻度も少なくなったと言われています。

しかし、見方を変えると、この制限があることによって、
ケテックに対する耐性菌が生じる確率が低くなる、
という事態が生じることも十分考えられます。

「他の抗菌剤が使用できないか、無効の場合にのみ使用」
というのは、言い換えれば最後の砦となる薬ということ。
耐性菌が生じないということは、
最後の砦の薬としてはふさわしい性質、ですよね。

副作用が、薬に良い性質を与える、
薬の作り手としては、とても皮肉な話です。
いくら頭で考えても、思いつくものではありません。
(もちろん、副作用の発現には十分な注意が必要です)

ヒトの思い通りに薬をつくるというのは、
本当に難しいものなのです。

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[ 2009/08/24 23:24 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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プロフィール

薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
病院でもらった薬の値段
http://kusuridukuri.cho-chin.com/

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http://drugname.onmitsu.jp/

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