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薬作り職人のブログ

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新型インフルエンザワクチン、発表。 はてなブックマーク - 新型インフルエンザワクチン、発表。

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世界的に有名なスイスの製薬会社であるノバルティスが、新型インフルエンザのワクチン製造にどうやら成功したようです。今回発表された一番最初のワクチンについては、まだ安全性を調べる試験や、実際に効果があるかどうかを調べる臨床試験は行われていません。ノバルティスによると、7月くらいから始まる臨床試験の結果によって、今年の秋には実際に使えるかどうかの判断が出来るようです。

インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスを細胞に感染させて増やし、このウイルスを不活化(殺すこと)させることで作られます。ウイルスの死骸を体内に入れてやって、ウイルスに対する免疫を付ける、というのがワクチンの作用メカニズムです。

これまでのインフルエンザワクチンは、ニワトリの卵(有精卵)へウイルスを感染させるという方法でつくられていました。これは、インフルエンザウイルスと相性がよい細胞がニワトリの胎児の細胞しかなかったからです。有精卵を使ったワクチン製造には、大量の有精卵の入手&飼育に時間がかかるという欠点がありました。

今回、ノバルティスが開発した製造法は、培養細胞にウイルスを感染させるというものです。培養細胞は、培養条件さえきちんと整えてやれば、どれだけでも増やすことが出来ます。また、培養タンクを大きくしたり数を増やしてやるだけで、有精卵を使う方法よりも、遥かに効率的にウイルスを大量培養することが出来ます。

ノバルティスの用いた方法について詳しいことは開示されていないのですが、ウイルスに相性のいい培養細胞を見つけたのか、もしくは効率の良く感染させる方法を確立したのだと思います。数ヶ月という短期間で、最初のワクチンを作るところまでこぎつける、というのは、さすがメガファーマ(巨大製薬企業)だな、と思います。

海外の大手製薬会社では、さまざまな病気のワクチンを開発・製造しており、ワクチン製造のための部署で大規模な研究がされているようです。こういうニュースを聞くと、日本の大手製薬会社の立ち後れというのを感じます。

日本では、とりあえず従来法での新型インフルエンザワクチンの製造が始まるようです。冬の訪れに間に合うかどうか、、ウイルスとの競争はもう始まっています。

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[ 2009/06/14 21:45 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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