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薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

アクトスの後を誰が継ぐのか。 はてなブックマーク - アクトスの後を誰が継ぐのか。

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今日行われた武田薬品からのプレスリリースによると、
糖尿病治療薬として臨床試験中だった新薬候補化合物
「TAK-379」が開発中止となったそうです。

中止の理由は、プレスリリースによると
「臨床試験を継続するための評価基準を満たさない」とのこと。

今回、開発中止の原因となった臨床試験は、
PhaseIIと呼ばれる段階のもので、
新薬の治療効果があるかどうかを、
少数の患者さんを被験者として調べるもの。

この試験では、比較対照として「アクトス」という
武田薬品の糖尿病治療薬が用いられていました。
今回のTAK-379の開発中止は、
この臨床試験で「アクトス」を越えることが出来なかった、
というのが原因だと思われます。

アクトスは、血糖値を下げるためのホルモンである
「インシュリン」の作用を強める作用を持っており、
糖尿病の治療薬として大きな評価を受けています。

アクトスは、アメリカでの武田薬品の主力商品の1つで、
3千億円以上の売り上げを誇っています。
しかし、2011年にはアクトスの特許が切れることから、
他社が同じ成分の薬を安く販売することが可能になり、
(ジェネリック医薬品が発売できるということ)
アクトスの売り上げは激減すると予想されています。

そのため、武田薬品に取って、アクトスを継ぐ新薬の開発が、
非常に重要な課題となっています。

武田薬品は、糖尿病の新薬をいくつか開発中です。
しかし、その先頭を走っている「SYR-322」という新薬は、
その先行きが危うくなってしまっています。

SYR-322はアメリカでの臨床試験を終了し、
あとは製造販売の承認待ちだったのですが、
新薬を審査する機関・米国食品医薬品局(FDA)から
「安全性に関する十分なデータがそろっていない」とされ、
承認にはまだまだ高いハードルが残っている状態です。

SYR-322に続くTAK-379が中止になるということは、
武田薬品の糖尿病治療薬の開発戦略が非常に厳しくなった、
ということを意味していると思います。

日本最大の製薬会社といっても、
うまくいかないときはどうしようもありません。
果たして、アクトスの後を誰が継ぐのか。
それとも、思い切った何らかの決断をするのか。

他者さんのこととはいえ(だからこそ?)
とっても気になります。


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[ 2009/04/21 22:43 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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