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薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

この粉は何でしょう? はてなブックマーク - この粉は何でしょう?

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「この粉は何でしょう?」っていうのが、
研究生活へのはじめの一歩でした。

大学の4年生の時、薬理学の研究室に配属されたのですが、
最初の2ヶ月にやったのは、実験に慣れるための実習です。
正式には「未知検体実習」って名前がついてます。

配属された5人の同期に、先生から渡されたのは、
小ちゃいバイアル瓶に入った粉でした。

私たちひよっこが、2ヶ月かけてやる実験は、
この粉がどんな薬かを当てること。

この粉を使って、ネズミさんといろんな実験を行い、
実験結果から、この粉の正体を暴くのです。
もちろん、5人に渡されたのはみんな別々の薬。
ヒントは、神経系の薬か、循環器系の薬、ということだけ。
先輩や先生にいろいろと実験方法を聞きながら、
教科書片手に推理して行きます。

まずは、ネズミさんに飲ませて行動観察。
寝てしまうが、おとなしくなるか、ちょこまかうごくか、
行動の変化で中枢性の薬かどうかが分かります。

次は、血圧を上げるか下げるか変えないか
ネズミさんの血圧の測定です。

その後は、ネズミさんの腸や血管を使った実験、
筋肉に対して収縮作用をもつ、
どんな薬の作用に対して抑制作用をもつか。

この3つの実験をこなした後は、
研究室に代々伝わる実験方法を先輩から伝授してもらい、
より細かい作用メカニズムを調べて行きます。

技の伝授に数週間、実験データとりに数週間。
いろいろと試行錯誤し、先輩や同期とも相談したりして、
化合物が何かを推理して行くのは、とっても楽しい作業です。

そして、5月も終わりとなる頃、
実験データをまとめて、プレゼンの仕方を教えてもらい、
薬の正体が何なのかを、先生の前で発表します。

結局、具体的な薬の名前をピタリとあてる、
というのは、大体の場合無理なのですが、
作用メカニズムを探り当てることが出来れば合格点。

発表が終わると、「研究の世界へようこそ」ということで、
無礼講の飲み会で手荒く歓迎されます。
そして、卒業研究、院試、国試へと続く、
慌ただしい1年が始まるのです。

毎年4月になると、訳の分かんない粉をもたされて、
四苦八苦している学生さんがいるんだろうな、って思います。
果たして、今年はどんな薬がつかわれているのかな??

後輩たちには、実習を通じて試行錯誤の楽しみ、ってのを、
自分自身で見いだしてもらいたいものです。

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[ 2009/04/20 21:59 ] ひとりごと | TB(-) | CM(-)
 

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プロフィール

薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
病院でもらった薬の値段
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