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薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

薬と細胞さんの恋愛関係。 はてなブックマーク - 薬と細胞さんの恋愛関係。

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薬と細胞さんとは、男女の仲のような関係です。

たとえば、アゴニスト(作動薬)と呼ばれる種類の薬は、
細胞さんの表面にある受容体というタンパク質に結合して、
細胞さんにいろいろな変化を起こします。

これは、男と女がくっついて、
恋愛感情が燃え上がる、ってのにちょっと似ています。
(私が思うに、男は薬、女は細胞さん、ですね)

この恋愛感情が大きければ大きいほど、
まわりの人たち(いろんな臓器)を巻き込んで、
いろんな反応(効果)を引き起こします。

さて、薬と細胞さんの恋愛関係ですが、
強い変化をおこせば起こすほどよい、
というものでもありません。

薬が細胞さんに猛烈にアタックしつづけると、
細胞さんの反応が、逆に弱くなることがあります。
専門用語では脱感作とよんでいます。
細胞さんのなかでいろいろな変化がおこり、
受容体の構造が変化したり、受容体の数が減って、
薬が細胞さんに働きかけても反応が少なくなるのです。

この脱感作は、細胞さんが無理をしすぎないように、
自分で自分をセーブするため(ネガティブフィードバック)
起こるのだと考えられます。

あんまり男が熱心すぎると(ストーカー?)、
逆に女が引いてしまう、ということなのでしょうか。

この脱感作、薬に取っては都合が悪い様に思えますが、
この現象を逆に薬を効かせるために用いることもできます。

現在、唐辛子の主成分であるカプサイシンが、
痛み止めとして(主に海外で)使用されています。
カプサイシンは辛さの原因となる物質ですが、
痛みを伝える神経を興奮させて、痛みを感じさせます。

このカプサイシンをクリームにして痛みのある部位に塗ると、
最初は痛みを感じますが、直に痛みは治まり、
最初からあった痛みの症状も消えてしまいます。

これは、痛みを伝える神経細胞で、
カプサイシンによる脱感作がおこって、
痛みの信号が伝わりにくくなったためだと考えられます。

男と女の関係も、薬と細胞さんの関係も、
すんなり一筋縄ではいかないところがおもしろいですね。


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[ 2009/03/20 22:41 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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プロフィール

薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
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