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薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

副作用から生まれた新薬ートレリーフ。 はてなブックマーク - 副作用から生まれた新薬ートレリーフ。

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先週、「トレリーフ」という新薬が
大日本住友製薬から発売開始となりました。

トレリーフは、パーキンソン病の治療薬であり、
主成分はゾニサミドという化合物です。

パーキンソン病は、体の運動をコントロールする
脳の中のドパミンという物質の働きが悪くなり、
体が動かしにくくなる病気です。

パーキンソン病の治療には、
体内でドパミンに変化するレボドパという薬や
ドパミンと同じ働きをするドパミン作動薬、
ドパミンを分解する酵素の働きを邪魔する薬など、
ドパミンの働きを強める薬が用いられています。

ゾニサミドは、これらのパーキンソン病治療薬が
十分に効果を示さないような場合のための薬です。

このゾニサミド、もともとはてんかんの治療薬で
「エクセグラン」という商品名で使われていました。

ゾニサミドが臨床で使用されて10年ほど経った2000年、
パーキンソン病の患者さんに起きたけいれんの治療に
ゾニサミドを用いると、パーキンソン病の症状が改善する、
という興味深い発見がなされました。

この発見をきっかけに、パーキンソン病における
ゾニサミドの治療効果の臨床試験が行われ、
パーキンソン病への治療効果があることが認められました。

そこで、ゾニサミドは新しい商品名「トレリーフ」を得て、
パーキンソン病の新薬として再登場したのです。

ゾニザミドは、てんかん治療薬としての副作用がきっかけで
新薬として再デビュー出来た、ということになります。
(もちろん「エクセグラン」としての販売も続いています)

ちなみに薬価(政府が決めた薬の値段)は、
トレリーフの方がエクセグランよりも遥かに高くなっており、
新薬としての期待が高いことを感じさせます。

ゾニサミドのパーキンソン病に対する作用メカニズムは、
ほとんど分かっていないというのが現状です。
おそらく、未知の作用メカニズムがあると考えられ、
だからこそ、これまでの治療薬がきかない患者さんに対し、
効果をしめすことができるのではないか、と思います。

薬の未知の作用メカニズムを探るのは、
薬の作用を調べる私たち薬理屋にとっては、あこがれの仕事。
そして、そのメカニズムをつかって新薬を作りだせれば、
これほど幸せなことがありません。

果たして、これからどんな展開になっていくのか、
長い目で見守って行きたいと思います。


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[ 2009/03/16 22:29 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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プロフィール

薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
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