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薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

鍵を握る男ーブラインド試験。 はてなブックマーク - 鍵を握る男ーブラインド試験。

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来週から、今のプロジェクトでの最後の実験を始めます。
結果が出るまで一ヶ月以上かかる、長丁場の実験です。
この実験のデータは、新薬を臨床試験に進めるための
非常に重要なものなので、気合いが入ります。

今回の実験は、ブラインド試験という方法を用います。
ブラインド試験では、ネズミさんに薬を飲ませる人と、
ネズミさんからデータを取る人(観察者)を別々にします。

薬の効果を調べるときには、薬を飲ませるネズミさんと
水だけを飲ませる(薬を飲ませない)ネズミさんとの間で、
データに差があるかどうかを調べます。

ブラインド試験では、観察者は、実験が終わるまでの間、
ネズミさんが薬を飲んでるかどうかを知ることはできません。
これは、ネズミさんが薬を飲んでいるかどうかを知ってると、
先入観で無意識にデータを操作してしまう可能性があるからです。
今回の実験では、一ヶ月の実験期間が終わって、
初めて、どのネズミが薬を飲んでいるかが分かります。

ブラインド試験では、どのネズミさんが薬をのんでいるか、
ということを書いた答えをキー(鍵)とよび、
キーを管理する人をコントローラーと呼びます。

今回の実験では、私がコントローラーになります。
一ヶ月の間、ひたすらネズミさんに薬を飲ませ、
キーが誰の目にも触れないように厳重に保管します。
そして、一ヶ月後、おもむろにキーを取り出して、
薬が効いているかどうかを判定します。

まさに鍵を握る男、キーパーソンです。かっこいい(?)

このブラインド試験、
観察者に取っては、結果が見えない何とも言えない不安感、
コントローラーにとっては、秘密を保つしんどさ、
それぞれの立場でつらい実験です。
ただ、そのぶん実験の客観性は保たれるので、
データの信頼度は通常の実験より格段に上がります。

果たして、キーを取り出し、データを発表する時、
みんなの笑顔が見れるのか??
今から、楽しみでもあり、不安でもあります。


今日の嫁さん。
予定より早く検査が終わり、今週末の外泊許可だったのが、
土曜日に退院許可に急遽変わりました。
そんなわけで、明日、いよいよ退院です。
先週の今頃は、救急外来で嫁さんの検査結果を待ってたんだなぁ。
あっという間の一週間でした。。

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[ 2009/03/13 23:15 ] お薬作りの日記 | TB(-) | CM(-)
 

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プロフィール

薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
病院でもらった薬の値段
http://kusuridukuri.cho-chin.com/

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http://drugname.onmitsu.jp/

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