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痛風の新薬「フェブキソスタット」 はてなブックマーク - 痛風の新薬「フェブキソスタット」

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先日ちらりと取り上げた武田薬品の痛風治療薬、読者さんが興味をもっていただいたようなので、今日はこの薬を取り上げます。

この薬の名前(成分名)は「フェブキソスタット」。
帝人ファーマ(繊維会社の帝人の医薬部門)が発見し、武田薬品とタッグを組んで開発してきたのですが、今年2月13日に、アメリカでの販売が許可されました。
ヨーロッパでは昨年デビューしていたのですが、世界最大の市場であるアメリカでもいよいよ登場、というわけです。

フェブキソスタットは、痛風治療薬の新薬としては40年ぶりということで、業界の注目を集めています。

痛風という病気は、血液中に尿酸という物質が貯まりすぎたときに起こります。尿酸の量が多くなって、血液に溶けきれなくなると、尿酸は関節(特に足の指)の中でかたまりをつくってしまいます。この尿酸の固まりが強い炎症を引き起こすことで、猛烈な痛みを生じます。

フェブキソスタットは、この尿酸を体内で合成する「キサンチンオキシダーゼ」という酵素の働きを止める事で、体内の尿酸の量を減らす作用を持つ薬です。

これまでに用いられて来たアロプリノール(商品名ザイロリック、アロチームなど)という痛風治療薬は、フェブキソスタットと同じくキサンチンオキシダーゼの働きを止める薬なのですが、まれに生命に関わる重い肝障害が起きることが知られるようになりました。また、腎臓や肝臓に病気を持つ患者さんでは副作用が出やすく、さじ加減が難しい、ともされてきました。

この欠点は、アロプリノールの基本構造(プリン骨格)が原因であると考えられていることから、アロプリノールと全く異なる基本構造をもつ薬の開発が進められてきました。フェブキソスタットは、このコンセプトにしたがって開発された薬です。臨床試験では、確実な効果と安全性が認められ、腎臓や肝臓に病気を持つ患者さんにも使いやすいという結果が示されました。

痛風治療薬の新薬としては40年ぶり、このように薬の選択肢が少ない状態が続くというのは、お医者さんや患者さんに取っては非常に歯がゆいものだと思います。そんな中、颯爽と登場したフェブキソスタットの活躍、ぜひ期待したいものです。

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[ 2009/03/02 20:03 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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