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薬作り職人のブログ

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古くて新しい武器「ワクチン」。 はてなブックマーク - 古くて新しい武器「ワクチン」。

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インフルエンザの流行が本格的になって来たようで、
このブログの人気ページランキングも、
インフルエンザ治療薬「リレンザ」の記事が1位になりました。

インフルエンザの予防には、うがい、手洗いが必須ですが、
ワクチンを打つというのも有効です。

インフルエンザワクチンは、
人工的に培養して増殖させたインフルエンザウイルスを集めて、
ホルマリンなどを用いた化学処理で不活性化したものです。
例えて言えば、ウイルスの死骸の一部、みたいなものでしょうか。

「あらかじめ体の免疫機構にウイルスの事を教えておいて、
本物のウイルスがきたときにすぐ攻撃できるようにする」
というのがワクチンの働きです。

インフルエンザは年によって流行する種類が異なります。
そのため、インフルエンザワクチンは、
翌年のシーズンに流行するウイルスを予想して生産されます。
この予想が外れると、ワクチンの効きは悪くなってしまいます。

予想を行うのは厚生労働省が管轄する専門者会議。
ウイルスのプロたちが頭を寄せあって?懸命に予想します。
今までのところ、この予想はほぼあたっているそうです。
さすがですね。

さて、ワクチンというと「予防」というイメージがありますが、
薬作りの世界では「治療」にもワクチンを使おうとしています。

代表的な例としては、「癌ワクチン」というのが挙げられます。

古くから使われている抗がん剤には副作用が生じるのですが、
これは抗がん剤が正常な細胞とがん細胞を区別できない、
ということが大きな原因となっています。

ということは、
「正常な細胞とがん細胞を区別する目印があれば、
この目印となる物質をワクチンとして体内に投与し、
免疫機構にがん細胞の情報を教えることで、
がん細胞を免疫機構が効率よく攻撃する事ができる」
と考えられます。

がん細胞の目印となるタンパク質はいろいろ発見されていて、
これらのタンパク質を癌ワクチンとして用いるプロジェクトが
さまざまな製薬企業で行われています。

今のところ、脳腫瘍の治療用ワクチンが実用化されており
(2007年、スイスで発売が認可されたそうです)
これに続けと数十種類の癌ワクチンが臨床試験段階にあります。
近い将来には、様々な癌に対して、
ワクチン療法が普通に行われるかもしれません。

古くは種痘に始まり、現在は癌治療の最前線。
人類の敵であるウイルスや癌に立ち向かうための
古くて新しい武器「ワクチン」
これからも注目して行きたいです。

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[ 2009/01/13 23:53 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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プロフィール

薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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