FC2ブログ

薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

金融危機と薬作り。 はてなブックマーク - 金融危機と薬作り。

banner_top.gif


先週から、研究所内にこんな回覧が回っています。

「アセトニトリルを大事に使いましょう」

アセトニトリルっていうのは、
薬の候補となる化合物を合成したり、
その化合物を分析したりするのに欠かせない薬品です。

アセトニトリルは、とてもありふれた薬品で、
研究所でも大量に購入し、どんどん使っています。

そのアセトニトリルが、今月くらいから
どうも手に入れにくくなっているようなのです。

試薬屋さんによると、入手困難な状況はしばらく続くので、
「在庫分のアセトニトリルは大事に使いましょう。
勝手に倉庫から持って行かないで」
なんて、会社からのお願いが回覧で回っているのです。

この話、なんでだろう?と調べてみると、
どうやら、このアセトニトリル不足、
最近話題になっている「金融危機」が原因らしいのです。

アセトニトリルは、アクリロニトリルという化合物を作るときに
そのおまけ(副産生物)として得られる化合物です。

アクリロニトリルは、アクリル繊維や合成樹脂の原料で、
自動車の部品(バンパーとか)を作るのに使われています。

で、このアクリロニトリルの生産が減少しているとのこと。

ここ数ヶ月の金融危機のおかげで、自動車の売り上げが激減、
→自動車の生産が激減→アクリロニトリルの生産が激減、、
というドミノ倒しがおこっているようなのです。

アクリロニトリルの生産量が減れば、
アクリロニトリルと一緒にできるアセトニトリルの量も
同時に減ってしまう、、というわけ。

景気が良くなってアクリロニトリルの生産量が上がるまでは
アセトニトリルの供給量はおそらく少ないまま。
先が見えない不況なだけに、これからどうなるか分かりません。

不況にはあまり左右されないといわれる製薬業界ですが
(それよりも医療費削減の影響の方がきついです)
こんな形で不況の影響をうけるとは意外でした。。
世の中っていろいろなところで結びついてるって実感です。

研究活動や生産活動に影響がでなければいいのですが。。


本日もお越しいただきありがとうございます。
元気の源、応援ポチ!もお願いします。

banner2.gif


にほんブログ村 科学ブログへ にほんブログ村 その他日記ブログへ
関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

[ 2008/12/22 23:23 ] お薬作りの日記 | TB(-) | CM(-)
 

スポンサードリンク

この日記のはてなブックマーク数

このブログが生まれて
最近のコメント
プロフィール

薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
病院でもらった薬の値段
http://kusuridukuri.cho-chin.com/

お薬の名前の由来
http://drugname.onmitsu.jp/

ミニ提灯データベース
http://kentapb.nobody.jp/
でどうぞ。


本ブログに関するご質問・ご意見などはこちらまで↓
ご使用の際は、@マークを半角に直してください。

kentapb@gmail.com

トラックバック


Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...