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薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

先入観。 はてなブックマーク - 先入観。

昨日、「プラセボ効果」のことを書いたんで、
ついでに今日は「先入観」の話。

私たちは、動物を使っていろいろな実験するのですが、
動物の行動を観察して、薬の効きを判断することがあります。

例えば痛み止め。
足への痛み刺激に対する行動(足をなめたり、ふったり)を
基準にして、動物の痛み感覚を調べます。
化合物を飲ませた時、飲ませないときの違いを調べることで、
化合物による痛みの押さえ具合を判断します。

さて、このような行動を観察する実験の場合には、
化合物を飲ませる人と、行動を観察する人とを別々にして
観察する動物が、薬を飲んでるのか飲んでないのか、
分からないようにしています。

これは、実験者が無意識に持っている「先入観」が
実験結果に反映するのを防ぐために行う操作です。
この操作を私たちはブラインドをかけるといってます。
(盲検法という方法です)

動物に痛み刺激を加えるには、専用の機器を使うのですが、
実験者が足に刺激装置を当てるやり方次第で
痛み刺激の強弱が少しですが変わってきます。

実験者が、この動物は薬を飲んでいる、ということを知ってると、
「先入観」のため、無意識のうちに、痛み刺激を弱くしてしまう
なんてことがあります。

痛み刺激が弱くなると、動物の反応が弱くなって、
見かけ上、薬が痛みを軽くするように見えてしまう。。

つまり、化合物が実際には効いてないのに、
あたかも効いているように見える、、これはマズいですよね。

そのため、実験が終わり、データ整理するときに
初めてどの動物が化合物を飲んでいるか、
が分かるようになっています。

薬の臨床試験の場合も同じです。
「プラセボ効果」の影響と、医者の「先入観」を防ぐため、
誰がプラセボをのんで、誰が薬を飲んでいるかは、
患者も医者も知りません。

知ってるのは、試験に関係のない第三者だけ。

データを取り終わり、統計処理をするところで、
初めて誰が何を飲んでるのかが分かります。
これをキーオープンというのですが、
この瞬間は、みんなどきどきモノです。

「先入観」をなくせ、とよく言いますが、
人間、なかなかそうは簡単にはいかないものなのです。


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[ 2008/05/30 23:05 ] 薬の話 | TB(-) | CM(-)
 

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プロフィール

薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


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