薬作り職人のブログ
製薬会社研究者の視点から見たいろんな話。
程よい強さ。
薬がヒトの体の中で効果を示すためには、
薬が生体内のターゲットとなる物質(例えばタンパク質)と
ほどよい力でくっつかなくてはいけません。

その力には2つの種類があります。
(1)プラスの電気とマイナスの電気が引き合う力
(2)似たもの同士が引き合う力

プラスとマイナスが引き合うのは
磁石のNとSみたいな感じで何となく分かります。
まぁ、男と女のようなものですね。

(2)の似たもの同士というのは、
友情のようなものでしょうか。

専門用語だと「疎水性相互作用」なんていう
すごく硬い言葉になりますが、
要は、水をはじくような性格のモノ同士は
(意外と)引き合いやすい、って感じです。
油と油はまざりあう、ということ。

ただこの2つの力が強すぎると、
薬としてはかえってよくありません。

薬とターゲット分子が離れられないくらい強い力でくっつくと、
薬の作用のコントロールが効かなくなってしまいます。
コントロールできない薬は毒と一緒。これは困ります。
薬とターゲット分子がくっついたり離れることができるような
程よい強さの力が必要なのです。

束縛しすぎると、かえって関係が悪くなる。
薬とヒトの関係、なんか人間関係と似てますね。
だから、薬をつくるのはこんなに難しいのか、うん。

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