薬作り職人のブログ
製薬会社研究者の視点から見たいろんな話。
続・魔法の式
昨日「魔法の式で副作用を予測」って内容の記事を書きました。

実は「魔法の式」についての理論は、理解してないのですが、
なんのために「魔法の式」を使うのか、ということについては
ある程度はわかってるつもりです。

「魔法の式」を使いたい理由は、
「安全性の高い薬を効率的に作る」ためです。

現在、私たちが薬を作るときには、
ます化合物を実際に合成して、実験で薬効を確認し、
有望そうな化合物について
1つ1つ安全性を確認する実験をしています。

この流れでは、安全性の試験をするまでは、
化合物が安全かどうかは分かりません。
そのため、せっかくの有望な化合物が、
最後の最後で安全性に問題が出てしまい開発中止、
なんてことが起こります。

新薬の開発スピードを高めるには
この「最後の最後に副作用が出る」っていう事態は、
できるだけ避けなくてはいけません。

そのためにどうするか?

「副作用が出るような化合物は、はじめから作らない」
という方法が、一番確実です。

そのためには、作りたい化合物の構造式から、
副作用が出るか出ないかを判断すればよい、
ということになります。
そこで登場するのが「魔法の式」なのです。

「魔法の式」を用いることで、
副作用が出にくいと計算される化合物だけを合成すれば、
その中から得られた有望な化合物については、
副作用が出にくいと考えられます。

で、最後の最後に安全性の確認試験で問題が出て中止、
という事態が起こりにくくなる可能性もでてきます。

果たして「魔法の式」の威力がどれほどのものなのか。
論文では、結構いいとこいってるのですが、
やっぱり自分たちでやるまではわかりません。

さて、どうなることやら。
難しいけど、がんばってみます。


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