ミオピン(塩野義製薬、主成分メチル硫酸ネオスチグミン)は、目のピントの調整機能を改善するための薬です。ミオピンは、目のレンズ(水晶体)の厚さをコントロールする筋肉(毛様体筋)の働きを改善することで、目の機能を回復します。
ミオピンの名前の由来
ミオピンは、仮性近視の治療に使われることから、Myopia(近視)にちなんで、ミオピンと命名されたそうです。
といっても、ミオピンで劇的に近視が治る訳ではないらしいんですけどね。
ここから余談。
ミオピンの主成分である「メチル硫酸ネオスチグミン」の作用メカニズムは、実は、あの毒ガス「サリン」と基本的におなじです。
体内の平滑筋や骨格筋と呼ばれる筋肉(毛様体筋は平滑筋です)の収縮は、アセチルコリンという物質によって起こります。アセチルコリンは、筋肉を収縮させる働きを終えると、コリンエステラーゼという酵素で分解されて、その効果を失います。
ところが、メチル硫酸ネオスチグミンやサリンは、このコリンエステラーゼの働きを止めてしまいます。すると、アセチルコリンの量が増えるので、筋肉の働きが高くなります。
サリンの場合、コリンエステラーゼの働きを止める作用が非常に強いため、サリンが体内に入ると全身の筋肉に極めて高い毒性を示します。また、アセチルコリンは神経や脳の働きにも関与しているので、サリンが体内に入ると神経活動が大混乱に陥ります。そして、これらの作用が急速に進行して、死に至るのです。
ミオピンは点眼薬なので、目だけに働きます。そのため、全身の副作用が出ることは滅多にないのです。
ちなみに、メチル硫酸ネオスチグミンは、重症筋無力症というアセチルコリンの働きが落ちる病気の治療に使われています。メチル硫酸ネオスチグミンは、脳の中に入らないので、サリンのような精神活動への影響はありません。
おなじメカニズムでも薬と毒になる、これが薬の本質です。
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ミオピン(メチル硫酸ネオスチグミン)の構造式
