薬作り職人のブログ
製薬会社研究者の視点から見たいろんな話。
作りたくないもの。
先日見たテレビ番組の話。

職人さんの特集で、大阪のある町工場が紹介されました。
眼の検査用のライトについてる小さい豆電球を作る職人さん。

細いガラス棒から、小さい豆電球を一つずつ手作りで作ります。
許される誤差は0.5mm、見た目では全く分かりません。

目の検査用の豆電球、日本でのシェアは100%、
この町工場でしか作っていないということでした。

職人さん曰く
「他の工場が、作りたい、作れない、作りたくないものを作る」
のがモットーだそうです。

「作りたくないもの」という言葉が、とっても新鮮でした。

正直言って製薬会社にもあるんです「作りたくないもの」。
患者数が少ない難病の薬、先進国では起こらない風土病の薬。。
研究開発費に対して、リターンが少ない薬。

話題になったムコ多糖症という病気の薬なんかもそうです。
生まれつき起こる難病で、患者さんは小さい子供。
日本では50000人に1人の割合で起こると言われています。

この病気、世界中の巨大な製薬会社は、全然目を向けず、
(もちろん私の会社も目を向けず)
海外の小さい会社が細々と治療薬を開発しています。
ようやく、日本でもその薬が使えるようになってきました。

しかし、実際のところは、
大きな製薬企業が「作れない」ことはないと思うんですよね。
「企業だから、商売だから、作らない」んですよね。

こんな会社の腰を上げさせる方法はないもんでしょうか。

自分が今作っている薬は、もちろん大事ですけど、
もっと必要とされる薬があるとおもうと複雑なんですよね。。


ムコ多糖症の薬、日本で作れないなら、
せめてできるだけ早く日本で使えるようになってほしいです。
ちょっと凹んだ私に力をください。

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