薬作り職人のブログ
製薬会社研究者の視点から見たいろんな話。
どたばた、じたばた
今日の実験はキツかった。。

久しぶりに、仕事で(笑)どっと疲れました。
週の頭に、どかっと仕事がやってくるのは嫌だなぁ。

私の仕事には、自分の実験と請負の実験とがあります。
今日は請負の実験の日。
いつもは、あんまりオーダーが来ないのですが、
今週は山のように来ました。

時々あるんですよね。
いろんなプロジェクトの締め日が重なる時。
こういうのは自分でコントロールできないんで大変です。

金曜日に依頼がどっと来たときから
一日で全部は処理しきれない、とわかってたので、
出来ない分は次回に回すことにはしてたのですが、
それでも、期限守るためにはキツキツです。

実験1回失敗すると、
スケジュール調整が大変難しくなるので、
慎重に実験したいところです。
でも、測定器や実験台が使える時間が限られてるんで、
のんびりとしてる訳にもいきません。
測定器のデータをにらみながら、次の実験の準備をします。
どたばたじたばた、止まってる時間はありません。

昼休み抜き、一日ぶっ通しで4回の実験。
機械のように単調な作業をこなし、
いろんな部屋を行ったり来たり。

夕方までに、データはとりあえず無事取れました。
でもまだ半分あるんだよな、、まだまだです。

足も手も神経も、どっとつかれた。。
もう、金曜日の気分です。

昨日ゲットした貝と赤福を食べて、
やっと落ち着きました。
さて、風呂に入って、ファインブリューを飲もうかな。
カロリー取り過ぎ?
まあ、大目に見てください。

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一から薬を作るということ。
この記事は、
港町の生物系大学院生さんの質問、へのコメントを兼ねています。
専門用語とかが出てくるのですが、雰囲気だけでも味わってみてください。

結晶構造解析で、薬剤を相互作用させるべき部位の構造が解けているにもかかわらず、その構造情報を元に一から薬をつくらないのはなぜでしょうか?

答えは単純で、作らないのではなく作れないのです。いくら、構造が解けているといるといっても、相互作用するポケットのなかの、水素結合する可能性があるアミノ酸残基や、疎水性の相互作用する可能性があるアミノ酸の残基の位置関係がわかった、というだけのこと。

じゃあ、そこのポケットに何を入れたらいいのか。それには無数の可能性があります。結合部位が3カ所せいぜい4カ所だとしても、いろいろな官能基の組み合わせを考えると、莫大な組み合わせになります。

もちろん、これらをむやみやたらに合成して、活性を確かめる訳にはいきません。成功の可能性が低いからです。こんな組み合わせがいいんじゃないか、という軽い?気持ちで、成功可能性が低いことに資源や人材をつぎ込むことはできません。結局、製薬会社が商売でやっていることですから。

会社は、化合物が見つかるか見つからないかを、はっきり決めることを求めます。それを判断するための期間とスクリーニング対象(既存のデータベース)をはっきりさせ、予算を組み、そのなかで資源や人材を割り振り、期限厳守で実験を行います。

時間が勝負の世界ですから、見つからないという結果ならば、さっさと撤収する、という足の軽さ、が必要なのです。

この他に、既存のデータベースを使う理由としては、データベースの中には、元々薬に適した性質、構造をもつ、性格がいい?化合物がたくさん含まれているということがあげられます。スタートから出来るだけよい化合物を選んでおけば、開発のスピードが、俄然違ってくるからです。

ここまでは、大っきな会社のはなし。

ベンチャーでは、大胆な挑戦をしているところがあります。例えば、タンパクの結晶構造の情報を元に、薬に適した構造をつくるためのソフト、を開発している企業があります。

医薬分子設計研究所
http://www.immd.co.jp/product_2.html
↑すいません、このリンク切れてました。現在はどうなってるのかな? 
(2008/4/9)

このソフト、製薬企業に取り入れられてるかどうかは、わからないのですが、どこかの企業がこれをつかって一発当てれば、なだれをうって使うようになるでしょう。それがいつになるかはわかりませんが。

薬を一から作るというのはとても大変なことです。オリジナルな薬というのは、偶然の発見に頼らないとできない、というのが実情なのですが、それでも研究者は頭をひねり、汗を流して懸命に薬作りをしています。

長くなってしまいました。
これで、答えになってるのかな?


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