薬作り職人のブログ
製薬会社研究者の視点から見たいろんな話。
違いのわかるおんな。
3歳過ぎてるというのに、
私の娘は、粉ミルクが大好きです。
哺乳瓶でチュパチュパ、お前赤ちゃんか!って感じ。
カルシウムとか入ってるから、まぁいいか、
と思って、そのまま飲ませてます。

ミルクは、たいてい嫁さんが作るのですが、
私もミルクの調製法を教えてもらって、作ってます。

娘が「ミルク、ミルク」とおねだり。
で、ミルク作って、哺乳瓶を渡すと、
ごくごくと一気に飲み干します。

で、最近、不思議なことに、
ミルクがほしいとき、娘は、ほとんど私を指名するのです。
嫁さんと私、二人いると、私のところにすり寄って、
何度も何度も「ミルク、ミルク」とだだをこねます。

可愛いやつ、、が、だんだん、しつこいやつ(笑)、、に。

何故だろう?どこが違う?違いがわかるおんな?

今日、その原因が分かりました。
ミルクの調製法に違いがあったのです。

私が嫁さんから聴いた調製法「水に、さじ三杯」
嫁さんが私にいった調製法「水に、さじ半杯」

そう、私の方が、6倍濃いミルクを作っていたのです。
だから、味の濃い、私のミルクがほしかったんですね。
私が、「水に、さじ半杯」でミルクを作ると、
飲んでくれません。
「ミルク、ミルク」と、私に抗議の声。

仕方ないので、間を取って(笑)
「水に、さじ一杯」で手を打ちました。

それにしても、6倍も濃いミルク、
気持ち悪くならないんだろか?
謎です。

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ベイスン(薬の話)
ベイスン(武田薬品、主成分 ボグリボース)は糖尿病用の飲み薬です。
しかし、普通の飲み薬とはちょっと毛色が違います。

飲み薬を作るときは、口から飲んだ薬を、消化管から、全身の血液の中にうまく吸収されるようにしなくてはいけません。

消化管から全身の血液に薬が吸収される間には、消化管や肝臓のなかにある酵素による薬の分解、という高いハードルがあります。

そこで、このハードルをクリアするために、化合物の構造をいろいろ変化させ、本来の薬の効果を保ちつつ、かつ消化管や肝臓で分解されにくくしなくてはいけません。

というわけで、飲み薬を開発するのは、注射薬と比べると、とても大変です。

ところで、ベイスンは、飲み薬にも関わらず消化管から血液にほとんど移行しない、つまり吸収されません。

ベイスンは飲み薬なのに、なぜ消化管から吸収されなくてもよいのでしょうか?
この疑問の答は、ベイスンの作用メカニズムにあります。

ベイスンは糖尿病の薬です。糖尿病は血液中のブドウ糖の量(血糖値)が高くなる病気です。糖尿病では、血糖値が高いため、様々な臓器に疲弊をもたらし、腎臓、神経、循環器などの臓器で、様々な合併症を示します。

そこで、糖尿病の治療では、血糖値をコントロールすることが重要になります。

ベイスンは「食事由来の糖分が消化管から吸収されるのを抑制する」という方法で血糖値の上昇を抑えます。

血糖値が変化するのは、主に食事をした後です。食事中の糖分が消化管から吸収されるときには、糖分はブドウ糖に分解されている必要があります。

食事中の糖分をブドウ糖に変えるには、αグルコシダーゼという酵素タンパクが必要です。ベイスンは、このαグルコシダーゼの働きを抑制します。

この結果、食事中の糖分はブドウ糖になれないので、体内へ吸収されることはなく、血液中のブドウ糖の量も増加しません。

 ベイスンの効果を最大にするには、ブドウ糖が作られる部位、つまり消化管の中に薬がある(=吸収されない)ことが重要になります。そこで、ベイスンは消化管から吸収されない様に作られているという訳です。

逆転の発想、ってやつですね。

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