イプラトロピウムといえば、凱旋門賞出走馬、ディープインパクトに使われた薬です。晴れ舞台の凱旋門賞後のドーピング検査で、ディープインパクトからイプラトロピウムが検出され、競馬界で大騒ぎになったのは記憶に新しいところです。
イプラトロピウムは、喘息発作のときなどに、気管支を広げて症状をおさえる働きをします。気管支の筋肉の収縮は、副交感神経という神経がコントロールしています。副交感神経が刺激されると、神経の末端からアセチルコリンという物質が分泌されます。アセチルコリンは、気管支の筋肉の表面にあるムスカリン受容体というタンパク質と結合し、ムスカリン受容体を活性化させます。すると細胞内に筋肉収縮の命令が伝わり、気管支が収縮します。イプラトロピウムは、アセチルコリンが気管支のムスカリン受容体に結合するのを阻害するので、気管支の筋収縮を抑制し、気管を広げます。
少なくとも、ヒト(運動選手)にたいしては、イプラトロピウムはドーピング禁止薬物となっていません。そのため、イプラトロピウムがディープインパクトの能力を増強していたのかどうかは、よくわかりません。今回は、イプラトロピウムは治療の為に使われたということなので、個人的には故意のドーピングではないのかなと思ってます
さて、ヒトの場合、イプラトロピウムは、口から吸入という方法で投与されます。ウマに投与する場合、どうやって吸入させたのでしょうか。ちょっと疑問です。
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