ブラインド試験は、測定者の主観が実験データに影響を与える可能性がある場合に用いられます。例えば、ラットを使った行動試験。ラットが足をなめる回数を測定する実験について考えます。
ラットの「足をなめる」という行動の基準は、事前に決められており、測定者はその基準に沿って、無心に測定しなくてはいけません。
しかし、測定者が動物に投与された薬物を知っていると、気がつかないうちに「なめる」という行動の判断基準が変わってしまい、データに主観がはいります。つまり、薬物が投与されている動物にはポジティブな判断基準が、薬物の投与されていない動物では、ネガティブな判断基準が、測定者の中に生じてしまいます。
そのため、実験結果は、予想された結果(仮説)を見事に実現し、めでたしめでたし、となります。しかし、この結果は主観がはいったデータによるものなので、客観性に欠けていると考えられます。自分は無心でやったと思っていても、客観性に欠けるということです。
ブラインド試験でない試験Aを、同じ人が同じ実験をブラインド試験で行った場合、試験Aの結果を再現できないことはよく経験します。極端な場合、ブラインド試験と正反対の結果が出ることもあります。どちらの結果を信用するか、、お分かりですよね。
ブラインド試験で、薬物のわずかな作用を検出するには、感度を上げるために様々な工夫が必要です。いろいろ工夫した実験条件のもと、ブラインド試験の結果が出る瞬間は、みんな緊張します。このワクワク感はたまらないですね。
もっとも、ブラインドをかけていても見分けがつくぐらい、バリバリに効果が出る強い薬を見つけ出せれば、一番やりやすいのですけどね。
