ミオナール(エーザイ,主成分塩酸エペリゾン,薬価 50 mg錠 = 26円)は,ひどい肩こりや腰痛に使われます。ミオナールは,中枢性筋弛緩薬とよばれる種類の薬です。
「中枢性筋弛緩作用」,をいうのは「中枢神経の働きを抑えることで,緊張した筋肉を弛緩させる」ということです。
肩こりや腰痛では,筋肉が硬くなる(緊張し)ため,血管が狭くなり,筋肉へ血液が流れにくくなります。そのため,筋肉内に老廃物がたまり痛みを生じます。
ミオナールは,筋肉の緊張を解き,血管を広げて血流量をふやすことで,筋肉の老廃物を取り除きます。ミオナールの具体的な作用メカニズムは以下のとおりです。ミオナールは,脊髄のなかの運動神経(運動ニューロン)に対して働きます。脊髄は脳から筋肉を収縮させるための信号を、運動神経に伝える通行路です。ミオナールは,この通行路の働きを抑制することで,運動神経への信号が抑制され,筋肉の緊張が抑えられます。
ミオナールの副作用は,脱力感,ふらつきなどがあります。これはミオナールの作用が強く出すぎているためにおこります
ミオナールの標的分子については,実はあまり良くわかっていません。ミオナールは脊髄の神経と運動神経をつなぐシナプスというところで働くことは,動物による試験で明らかになっています。しかし,ミオナールがシナプスのどの分子(たとえば神経伝達物質の受容体,酵素)に作用しているのかはよくわかっていません。
薬の中には,「効くのだけれども,薬剤の標的分子が良くわかっていない」ものが多くあります。ミオナールもそのひとつです。ミオナールの標的分子がわかれば,より優れた,副作用の少ない薬剤ができると考えられます。これからの研究に期待したいものです。
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