薬作り職人のブログ
製薬会社研究者の視点から見たいろんな話。
他社のことは気になるもので
仕事柄、他社の動向は気になるもの。
毎日配信されている業界紙がありまして
時間が空いてるときに読んだりするのですが、
最近読んだ記事で
某会社の開発品が臨床試験でなかなか良い結果がでたとのこと.

よく見たら、
以前、うちの会社も手を出してた分野の薬。
何年前だろ?会社入って、まもなくかな?
各社の合成陣がしのぎを削って様々なアプローチをしてました。

問題だったのは、
消化管から吸収されない、
ある一定の骨格をしてないと活性がない
という2点。
しかも、その骨格自体が吸収性を悪くする元凶ということで
すごく難易度が高かった。

うちの会社の合成陣のアイデアがほとんど出尽くしてしまったのか、会社の方針からかわかんないけど、数年後にはうちの会社は完全撤退しました。

その後、他社からの音沙汰もなく、
どこもあきらめたのかななどど、記憶の底に埋もれそうになった今になって、華々しく登場というわけです。

骨格は、前やってたものと全く変わってました。
活性、吸収性申し分ない。

もう少しうちの会社もがんばればよかったのか。
時間をかけたら出来たのか?
執念が足りなかったのか?

うちの会社、あっさりしすぎなのかなぁ。
もっと泥臭くやらないとだめなんじゃないか。

などと考えちゃいました。

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イソジンガーグル
風邪引いちゃいました。予防が一番と思ってたのに、その矢先にやられました。風邪の予防と言えば、うがいに手洗い。うがいと言えば、やはりイソジンガーグル(明治製菓、主成分ポピドンヨード、薬価 7%1mL = 3.7円)ですね。ポピドンヨードは、広い範囲の細菌、ウイルスに対して殺菌作用を示します。エイズウイルスやMRSA、B型肝炎ウイルスに対しても殺菌効果があるそうです。(ただし、これはイソジンガーグルではなく、イソジン液を直接作用させた場合です)

ポピドンヨードとは、ヨウ素をポリビニルピロリドンという物質と結合させたもので、この結合により、ヨウ素が水によく溶けるようになります(だから塗り薬やうがい薬に出来るんですね)。ポピドンヨードの水溶液のなかでは、ポリビニルピロリドンとヨウ素の結合が切れたりくっついたり(平衡)しています。ポリビニルピロリドンとの結合が切れて放出されたヨウ素が、殺菌作用の元となります。

水溶液中に放出されたヨウ素は、周りの物質から電子を奪って、ヨウ素イオンになろうとします。この電子を奪う作用により、生体内の物質、例えばタンパク質やDNAや脂肪酸などの様々な物質を変化させます。
タンパク質の場合は、タンパク質の立体構造の骨組みとなるシステインというアミノ酸(2分子のシステインが結合することでタンパク質の形をささえる筋交いのような働きをします)の性質が変わり、タンパク質の構造が崩れてしまいます。
また、タンパク質や核酸(DNA)の基本構造を維持するのに必要な(専門用語で言うと水素結合を維持するのに必要な)窒素ー水素結合を、窒素ーヨウ素結合に換えてしまい、生体内で働くための構造を壊してしまったりもします。
こうして、細菌やウイルスの生存に必要なタンパク質や核酸がぶっ壊れてしまうので、殺菌作用が生じるのです。殺菌により水溶液中のヨウ素濃度が減ると、ポピドンヨードからヨウ素が供給され、さらに殺菌が進むというわけです。

風邪の予防には、水のうがいだけで十分という報告もあります。でも、イソジンガーグルでうがいしたときの、ひりひり感と言うか、何とも言えない刺激感で、あー細菌が死んでるんだな、などと想像したりできるので、私はイソジンをオススメしたいです。


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