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薬作り職人のブログ

新薬のアイデアを考える人から見たいろんな話。

「ものもらい」の方言がわかるサイト。 はてなブックマーク - 「ものもらい」の方言がわかるサイト。

古くから私たちの身の回りにあるものの中には、各地方ごとで呼び名が違うものってのがたくさんあります。「ものもらい」という目の病気の呼び方も、そのひとつです。ものもらいは、目のふちや内側に最近が感染して、痛みを伴う炎症をおこすという病気。かかったことがある方も多いかも知れません。

この病気、関東では「ものもらい」、関西では「めばちこ」と呼ばれることは結構知られています。で、日本各地を見ると、それ以外の呼び名っていうのも、けっこうあるようなのです。

その呼び名を集めているのが、このサイト。

ものもらいMap

目薬でおなじみの「ロート製薬」が、「ものもらい」の呼び名の全国をアンケートで調べ、その結果を紹介しています。調査対象人数は、約1万人。これだけの人数からの回答ということで、非常にバリエーションある結果となっています。サイトを覗いてみると、地方ごとに、いろんな呼び方があるってのが、よくわかります。

目についたものをざっと並べてみるだけで、こんな感じです。

ものもらい、めばちこ、めかご、めいぼ、よのめ、めぼ、めっぱつ、めぼう、めまんじゃ、めもらい、

もちろん、まだまだあります。

このサイトの面白いところは、特定の呼び名の全国分布を地図上でみたり、各県ごとに呼び名のベスト3が紹介されたりするところ。

たとえば、「ものもらい」の分布と「めばちこ」の分布はこんな感じ

ものもらい
20111220_1.jpg

めばちこ
20111220_2.jpg

きれいに東西分布していますね。
呼び名の全国トップ15位までは、この全国分布を見ることができます。

各県ごとの呼び名のベスト3はこんな感じ。
私の故郷の福井県だとこうなります。

20111220_3.jpg

めもらい、確かに言ってたよなぁ。なんか、懐かしい気分になります.

これらの分布やランキングは、男女別や年齢ごとに絞り込むことができるので、自分の世代と親の世代の違い、なんてのを調べることも可能です。

あと、「ものもらいの方言の成り立ち」なんかについても、方言研究の立場から細かい解説がされていて、これを読むだけでも楽しいものです。

このような身近な言葉の方言分布調査で有名なものといえば、20年ほど前に作られた「日本全国アホバカ分布図」というのがあります。この分布図は、「探偵!ナイトスクープ」というテレビ番組が作成したものです。アホ、バカをあらわす方言分布が京都を中心とした同心円状に分布するということを、全国対象としたアンケート調査で綺麗に示しました。

今回紹介した「ものもらい」の調査結果を一枚の図にまとめたら、どんな分布図になるのかな、というのも興味深いところです。はたして、同心円を描くのかなぁ。

「日本全国アホバカ分布図」の作成過程と結果について書かれた名著です。




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[ 2011/12/20 22:56 ] 病気の話 | TB(-) | CM(-)

インフルエンザに罹患→復活。 はてなブックマーク - インフルエンザに罹患→復活。

先週末、インフルエンザに罹患してしまいました。週末は、ずっと布団の中で療養&家族内隔離生活。体調は、ほぼもとに戻りましたが、体力はごっそり落ちてしまったようです。

会社で実験してるうちに、寒気と頭痛がひどくなり、実験試料のサンプリングが終わると同時に会社を出て、お医者さんへ直行。お医者さんへ向かう道すがら、関節が痛くなったり、だるくなったり、どんどん状況が悪くなります。

お医者さんで症状をいうと、即インフルエンザの迅速検査キットでの検査。15分後、「インフルエンザA型」と判定されました。

治療については、「飲み薬の「タミフル」と吸入薬の「イナビル」のどちらにしますか?」と聞かれたので、「イナビル」を選択しました。

イナビルは、先日発売されたばかりの吸入型の薬で、感染細胞の中で増殖したインフルエンザウイルスが細胞外に出てくるのを止めることで、インフルエンザの進行を押さえる薬です。薬剤が投与部位に長く持続するため、一度の服用で十分であるというのが最大の特徴です。

詳細は下のリンク
イナビルの名前の由来ー新規インフルエンザ治療薬イナビル発売ー

吸入薬自体生まれて初めての体験ですが、一度の服用でいいのでお医者さんの前で吸入法を教えてもらいながら服用するだけでOK。

息を吐いて、吸入容器から一気に吸い込んで、息を3秒間止める。吸い込むと、薬の粉(が混じった、ちょっと薬臭い空気)が、のどから気管に入っていくのが、なんとなくわかります。「吸入薬というのは、服用したことが自覚できるんだろうか」と思っていたのですが、イナビルの場合はそれなじに実感できるようです。

イナビルだけでは熱はすぐ下がらないので、解熱剤と漢方薬を処方され、診察は終了。

家に帰ると、リビングにはいかず、そのまま個室へ直行。息子の期末テストが控えているので、息子とはしばらく顔を合わせないようにするために「家庭内隔離」となりました。

熱は、次の日の夕方にはさがり、咳や頭の重さもその後ほとんど取れました。予想よりは早い回復ですね。ただ、ウイルス自体は、熱が下がっても1日は排出されるということで、念のため今日、いままで家庭内隔離は継続していました。

子どもたちの姿を見れないのは、すごくさみしいものですね。明日からは、正常生活に戻る予定。娘をだっこしたいなぁ、と思います。

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[ 2011/02/20 23:48 ] 病気の話 | TB(-) | CM(-)

ブルークローバー・キャンペーンを知ってますか? はてなブックマーク - ブルークローバー・キャンペーンを知ってますか?

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「ブルークローバー・キャンペーン」というのを知っていますか?

ブルークローバー

ブルークローバー・キャンペーンとは、中高年男性に特有のがんである「前立腺がん」の早期発見をアピールするためのキャンペーンです。具体的には、前立腺がん検診(PSA検診)の普及を目指しています。

今月(10月)は乳がん月間であり、乳がんの早期発見をアピールするための「ピンクリボン・キャンペーン」が華やかに行われていますが、「ブルークローバー・キャンペーン」はその男性版、というところでしょうか。

ブルークローバーがシンボルとして選ばれたのは、その花言葉「約束」に由来しています。一年に一度、 前立腺がん検診のPSA検査を大切な人のために受ける「約束」という意味が込められているそうです。

「前立腺」というのは、あまり耳慣れない単語です。前立腺は男性にのみ存在する臓器で、生殖器の一種であり、精液の一成分である前立腺液を作る働きをもっています。

前立腺がんは、近年になって男性のがんの中でもメジャーながんになってきました。2007年には、日本での前立腺がんによる死者は9786人におよび、乳がんによる死者11323人に迫る勢いになっています(出典:国立がんセンターがん対策情報センター資料)。

しかし、前立腺がんは、PSA検査という一種の血液検査で早期診断することが可能です。前立腺がんのがん細胞は、PSA(Prostate Specific Antigen:前立腺特異抗原)というタンパク質を合成する性質があります。血液中のPSA量を測定し、PSA量が増加していた場合は前立腺がんにかかっている可能性が高くなります。

PSA検査は、普通の成人病検診などと同様の血液検査であり、だれでも簡単に受けることができます。前立腺がんが起きやすくなる50歳から、一年一回のPSA検査が推奨されています。

前立腺がんは、早期に発見すれば手術や抗男性ホルモン剤治療により完全に直すことができます。以前は、前立腺がんは、自覚症状が少ないということもあり、発見が遅れることが多いがんでした。しかし、PSA検査が可能になってからは、乳がんのような早期発見・早期治療が可能になったのです。

ブルークローバー・キャンペーンは、これからの男性にとって、とても重要な意味を持つ運動です。ピンクリボン・キャンペーンに負けないくらい、マスコミの取り上げ方が大きくなってくれることを希望します。

参考
ブルークローバー・キャンペーン(朝日新聞社)

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[ 2009/10/02 21:53 ] 病気の話 | TB(-) | CM(-)

静かにやってきたパンデミック。 はてなブックマーク - 静かにやってきたパンデミック。

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すっかり話題に上らなくなった新型インフルエンザ。

今日、WHOによって「フェーズ6」
いわゆる「パンデミック」というのに認定され、
久々に表舞台に出てきました。
ついでに「インフルエンザ2009」なんていう
正式名称もついたようです。

南半球のオーストラリアでは中規模な流行が始まり、
これがパンデミック認定の決め手になったそうです。

死亡率が高い危険な病気、ではないですが、
免疫を持たない状態の中で感染者数が爆発的に増えれば、
死者の数は必ず増えます。
その中に自分や家族が含まれる可能性が
全くのゼロとはいえません。

通常のインフルエンザと新型インフルエンザとが
両方とも流行したとしたら、
予防注射とかはどうなるのか、診療体制は大丈夫なのか。。

しかし、日本では、あと半年の猶予があります。
自分たちでできる予防対策に加え、
政府の行動計画の修正、練り直し、を
しっかりとやって欲しいものです。

以前の報道の過熱さに比べると、
異様に静かにやってきたパンデミック。
嵐の前の静けさ、でないことを祈りたいものです。

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[ 2009/06/12 23:11 ] 病気の話 | TB(-) | CM(-)

日本感染症学会の見解。 はてなブックマーク - 日本感染症学会の見解。

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新型インフルエンザについては、様々な情報が流れているのですが、感染症の専門家で構成されている「日本感染症学会」が分かりやすい情報を発表しています。

とりあえず感染拡大は一段落しそうですが、秋以降の流行に対する参考になると思います。

要点は
・今回の新型インフルエンザは決して軽症とは言いきれず、秋以降の第2波は、十分に起こりうる。
・今回の新型インフルエンザに対応した、医療体制の準備体制の更なる整備・改良が必要。
・今後、新型インフルエンザとのおつき合いは続けて行かざるを得ない。
・ほとんどの症例は軽症であるが、基礎疾患などのハイリスクをもつ人に取っては重篤になりうる。
・不要不急の外出を避け、人ごみにはなるべく出ないこと、外出時にはマスク着用、互いの咳エチケットの遵守、外出後のうがいと手洗いが必要。

です。

以下、長くなりますが、一部を引用させていただきます。
情報の整理に役立てば幸いです。
S-OIVというのは、今回の新型インフルエンザの略称です。

ー引用はじめーーーーーーーーーー

今回のS-OIV が感染力・伝播力は強い一方で、発症時の臨床的重症度は季節性インフルエンザ(seasonal influenza)と同程度ではないかと楽観視する意見も強まっています。しかし、米国CDC が中心となってまとめた米国カリフォルニア州内の4 月15 日から5 月17 日までの流行状況の報告では5%以上の例が入院し、その1/5(全体の1%)は
ICU で治療を受けたことも明らかにされております。これをわが国に当てはめると、毎年の季節性インフルエンザと同様に1,000 万人以上がS-OIV に感染した場合、短期間に10 万人以上がICU に入院することになります。このことからも感染症を専門とする本学会の立場からは、S-OIV は現時点でも軽症であると言い切ることはできません。さらに、今秋以降は1968 年の香港かぜ以来の大流行が起こる可能性は極めて高くなると多くの専門家が考えています。
 本年2 月17 日に厚生労働省が発出した「新型インフルエンザ対策ガイドライン」は高病原性鳥インフルエンザを想定したものであって、しかも水際撃退作戦を想定したいわば行政機関向けといえるガイドラインであり、今回の新型インフルエンザが実際に流行して蔓延する際には、一般医療機関における対応は当然異なってしかるべきです。

(中略)

インフルエンザがウイルス感染症であることが分かってから、及び抗生物質が実用化されてからの新型インフルエンザ(1957 年からのアジアかぜ、1968 年からの香港かぜ)では我が国でいずれも4 万人~7 万人が亡くなったと報告されています。香港かぜは、1968 年~69 年の第1 波では2 万人程度と死亡者数が少なかったものの、翌年の第2 波で5 万人を超える大きな被害が出ています。現在の人口に外挿敷衍すると8 万人から9万人の死亡者となり、比較的軽かったと思われがちな香港かぜは実は大きな流行であり、国民や社会への影響は大きく、特に当時の医療関係者の苦労は相当なものであったと思われます。
今回の新型インフルエンザ(S-OIV)が今後大流行した場合、わが国の死亡者数や死亡率が香港かぜの場合を大きく超えるようなことはないと思われます。しかし、これまで流行してきた季節性インフルエンザでは毎年1 万人前後の死亡者が出ていて、医療現場ではその都度多忙を極めていますから、数万人の死亡者が出る流行が起これば入院ベッドが不足し、人工呼吸器や救急車が足りない、病院や診療所の外来は混雑を極めるなど、準備の不足は医療現場の大混乱となって現れるのは必至です。

(中略)

また、20世紀の新型インフルエンザは、国内では、すべて2回の流行を起こしている事実を理解して対策を考えることも重要です。世界では、時に3回の流行も記録されています。前述のごとく、スペインかぜは1918~19年の大規模な第1波、1919~20年のやや規模の小さな第2波と2回流行しました。アジアかぜは、1957年春の第1波、秋の第2波とやはり2回流行しました。香港かぜでは1968~69年の第1波は小さな流行でしたが、翌1969~70年に大きな第2波の流行となりました。ですから、最初の流行が小規模に終わっても、決して油断は出来ないのです。今回の新型インフルエンザ(S-OIV)が、現在は症状も軽く、患者数も比較的に少なくても、今年の秋か、冬に大きな流行になると専門家が警戒しているのは過去の大流行の事実からです。

(中略)

過去のどの新型インフルエンザでも、出現して1~2年以内に25~50%、数年以内にはほぼ全ての国民が感染し、以後は通常の季節性インフルエンザになっていきます。現在流行している香港かぜもこのようにして季節性インフルエンザとなった歴史を持っており、今回のS-OIVもやがては新たなH1N1亜型のA型インフルエンザとして、10年から数十年間は流行を繰り返すと見込まれます。すなわち、今回の新型インフルエンザ(S-OIV)の罹患を避けることは難しいのです。

(中略)

今回のS-OIVの流行では、初発地のメキシコを除けば死亡率が通常の季節性インフルエンザのそれを少し上回る0.1%台を現時点で示しており、軽症例が多いとみられています。一方、多数の死亡例が出たメキシコでは、発症から受診までの期間の長短が死亡率と相関している(死亡例のほとんどが発症から1週間以上を経て初診)と言われています。また、死亡例の多くは細菌性肺炎を併発していたとも言われています。

(中略)

今回のS-OIVの流行では細菌性肺炎と脱水が主な入院の契機であり、64%が基礎疾患や合併症を持っており、主なものは慢性呼吸器疾患、免疫低下~不全状態、慢性心疾患、糖尿病、肥満であるとしています1)。しかし、今回のS-OIVの流行ではこれまで大多数の患者が軽症で改善治癒しています。たとえ肺炎を併発したとしても多くは軽症であり、在宅での治療が可能ですし、わが国の市中肺炎ガイドラインはその目安を提示しています。

(中略)

流行が懸念される時期には不要不急の外出を避け、人ごみにはなるべく出ないこと、外出時にはマスク着用、互いの咳エチケットの遵守、外出後のうがいと手洗いが必要です。新型に対するワクチンは、本年の秋から冬にかけて予想される流行には間に合わない可能性も考えられますので、ハイリスク群においてはノイラミニダーゼ阻害薬の予防投与も考慮すべきです。現実的には患者との接触後1週間前後の予防が考えられます。

(中略)

マスクの有効性については賛否両論があります。日本では肯定的な意見が多く、一方、欧米では否定的な意見が多いため、現実にカナダや米国では一般の人はマスクを着用していません。しかし、数年前のSARSの流行時にはサージカルマスクやN95マスクが院内感染予防に効果があったとする報告12)や一般的に呼吸器ウイルス感染の防止対策の一環としてマスクを含めた総合的な対策が有用であるとするシステマティックなレビュー報告があり、WHOは後者の報告を引用して今回の新型インフルエンザ対策としての市中でのマスク着用を勧めています。ただし、マスクは正しく着用しなければ効果はありません。うがいの有用性については、インフルエンザそのものに対しての効果という訳ではありませんが、上気道感染症やインフルエンザ様気道疾患に対する予防効果が認められるという報告があり、同様に急性呼吸器疾患等に対して手洗いの予防効果が認められるという報告もあります。

ー引用おわりーーーーーーーーーー

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[ 2009/05/23 18:22 ] 病気の話 | TB(-) | CM(-)
 

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薬作り職人

Author:薬作り職人
十数年、新薬の研究に携わる研究者(薬理系)でした。2012年4月から、企画職として、新薬のアイデア作りなどの仕事に取り組むことになりました。

薬学生向けの季刊誌MILで、「名前で親しむ薬の世界」「薬作り職人の新薬開発日記」って言うコラムを連載してました。

観光地で売ってるミニ提灯集めてます。妻子持ち(2児の父)、嫁さんからぐうたら亭主と呼ばれます。


薬&提灯 詳しくは
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